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次の週、ホグズミード行きの日は、明るい、風の強い朝で始まった。
朝食のあと、行列してフィルチの前を通り、フィルチは、両親か保護者に村の訪問を許可された生徒の長いリストと照らし合わせて、生徒をチェックした。
ユリは玄関前の噴水広場に、待ち合わせの人を見つけて笑顔で手を振った。
彼も気づいて微笑みかける。
この二人は、すぐにホグズミード行きの生徒たちの注目の的になった。
当然である。
人気者のセドリックと、常に渦中の女の子、ユリ。
特にセドリックは、夏前に美人のチョウ・チャンと別れたとあって、男たちは地団太を踏んだ。
なんだ！カワイイ子が全部セドリックに取られる。
「ユリの私服って、ちゃんと見たのははじめてだ。かわいいね」
「え、そお？」
ユリが何かを言う前にセドリックが第一声でそう言ったので、ユリはつい照れてはにかんだ。
手の甲は包帯で隠して、「薬草学」の途中で腫れ草の汁が事故でかかったということにした。
「じゃあ、行こうか」
「うん」
おそらく広場にいた全生徒が、二人が手をつなぐのか腕を組むのか、そこに注目していたが、当の二人は微妙な距離を取りながら歩きだした。
これはどちらかといえばセドリックの片想いなのだと、聡い生徒にはお見通しだろう。
ホグズミードへは汽車も出ているが、歩いていける距離でもあるので二人は歩くことにした。
「ユリは、ホグズミードで好きな場所はあるの？」
セドリックにそう問われ、ユリはそういえばあまりホグズミードに行ったことがないなと気がついた。
それを伝えると彼は何故だか嬉しそうに笑い、「じゃあ今日は僕が案内するよ」と言った。
彼は七年生で、しかも友だちがたくさんいるときて、いろいろな穴場やちょっとしたネタをたくさん知っていた。
フレッド、ジョージ、リーが「ゾンコの魔法悪戯専門店」の前でこそこそ話し合っているのは見ないふりをする。
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作者名：にはろ | 作成日時：2023年2月18日 22時
