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「小悪魔って呼ばれるわよ」
「わかってるよ……」
恥ずかしそうに笑って、ユリは本を閉じた。
ハリーとロンは話についていけずに、ハーマイオニーに説明を求めるような視線を向けている。
彼らはもういろいろ忘れて、今は友だちの恋バナに興味津々だった。
ユリについては、未だによくわからない部分がある。
浮いた話が一切ない子だ。
あれだけ綺麗な人が父親なのに、なぜかスネイプに執心のようだし(彼らはユリの恋心については、まったく知らない)。
去年のダンスパーティーだって、彼女が誰と行くのか一応気にしていたのに、結局フレッドとくだらない賭けをしていたジョージと一緒にいた。
これだけかわいくて明るくていい子なのに、何故今まで何もなかったのか不思議だった。
それが、ここにきて現れた。
それもセドリック・ディゴリーだ。
誰が見ても文句なしの好青年。
ハリーにとっては、因縁がある人物だが。
「セドリックとどうにかっていう気は、今はないかな」
「正気か！？」
そうロンが声を上げるほど、今の学校では右に出る者のいないモテ男でもあった。
「卒業まではね」
「な、なんで」
「好きな人がいるから」
「……！？！？」
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作者名：にはろ | 作成日時：2023年2月18日 22時
