Dumbledore's Army ページ19
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アンブリッジの“補習”は、今週全部で四回あった。
彼女はユリに、一回目の補習で書いたレポートをひたすらにあの羽ペンで書かせた。
回数は日によって違った。
一番多かったのは二回目の水曜日で、十遍も書かされ、ユリはそれに六時間もかけた。
ハリーの罰則はユリが書き終えるまでというルールのようだった。
ユリは罰則の時間をなるべく短くしようと手を止めず、前の行の傷が消える前に乱暴に文字を刻み続けたから、彼女の手の甲はハリーよりずっとズタズタになった。
ハリーが止めても、ユリは聞かない。
「早く終わらせて早く寝たいだけ」と言って譲らなかった。
それに、早く終わらせたいのは本当だったから。
今年はOWLがあって、それなのにというべきかそうだからというべきか、大量の宿題が毎日出た。
二人はそれを、罰則が終わってから毎晩やる。
そこしか時間が取れないのだ。
日付を越える前に寝られた日は当然無い。
最近で唯一よかったことと言えば、アンブリッジの監視がいつの間にかなくなっていたことと、ロンがグリフィンドールクィディッチチームのキーパーに選抜されたことぐらいだった。
木曜日に提出の「魔法薬学」のレポートは、右手を背に隠して左手で出した。
そのときにはもう、遠目で見ても明らかな傷になってしまっていた。
手袋をするのは変だから、ユリは九月の上旬というのにセーターをきっちり着て、袖を最大限引っ張って過ごさなければならなかった。
金曜日の夜にすべてが終わっても、その傷を得意の魔法薬で治すことはできなかった。
勝手に治そうものなら、アンブリッジの格好の餌になるとわかっていたから。
だから、夜な夜なマートラップ液に右手をひたして痛みを和らげるにとどめた。
提出した「魔法薬学」のレポートが帰ってきたのは、アンブリッジが「ホグワーツ高等尋問官」に任命された月曜日だった。
「諸君のレポートが、OWLであればどのような点をもらうかに基づいて採点してある」
マントを翻して宿題を返して歩きながら、スネイプが言った。
ユリはまた、右手を隠して左手でそれを受け取る。
傷はまだほとんど治っていなかった。
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作者名：にはろ | 作成日時：2023年2月18日 22時
