supplementary class with Dolores ページ14
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ユリは、体中から血の気が引いていくのを感じながら、俯いた。
胃がシクシクする。
彼女を見つめているのは、ガマガエルのような飛び出した両眼と、教室中のみんなの目だった。
「闇の魔術に対する防衛術」の時間である。
グリフィンドール寮生である彼らは、アンブリッジ・魔法省の教育方針に反発し、そしてそれがハリーとアンブリッジの衝突へと発展してしまったのだ。
その引き合いにユリが出されてしまったというのが、今の状況だった。
「ミス・グリンデルバルド？もう一度聞きますよ。ミスター・ポッターの言っていることは嘘なのですよね？あなたは先週の記事でそう言っていたはずです」
これは、個々に質問攻めにあうのとはわけが違った。
はぐらかそうにもできないし、だからといってハリー本人の前で嘘をつくのは本当に嫌だった。
「言いたくありません、先生」
だから、本当のことを言うことにした。
「なんですって？」
「先生が、今ここで、私にハリーのことを嘘つき呼ばわりさせたいのなら、それはできません。だって友だちだから」
アンブリッジは作り笑いを崩して、絶句しているようだった。
まさか、肯定以外の返答を予想していたはずもない。
だって、彼女には人質がいるから。
でも今の返答でユリの曾祖父をどうにかしようというのは、それは誰がどう見ても道理にかなっていないように思えた。
それで、ユリはその場を何とか切り抜けた。
しかしすぐに、またピンチはやって来る。
「ミス・グリンデルバルド。あなたは少し他の生徒より学習が足りないようなので、追加課題を課します。明日の夕方五時に、わたくしの部屋にいらっしゃい」
「え……ハリーと同じ時間ということですか？」
「その通りです。くわしくは明日の朝食で通達しますから」
授業終わりに言われたそれは、ユリの心を重くした。
言い合いの末ハリーには罰則が科せられたのだが、それと同じ時間・場所ということは、ユリも罰則を受けたと考えてほとんど相違ないのではないか？
物は言いようというが、度が過ぎる。
と、怒ってくれたのは他の三人で、当のユリは「大丈夫」といつものように笑うだけだった。
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作者名：にはろ | 作成日時：2023年2月18日 22時
