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「ピスタチオ、ピスタチオ」と、揃った掛け声とともに呼び込みをしている3年の先輩の横を通り過ぎる。
ピスタチオアイスでも売っているのだろう。
3年生は夏に準備をしている余裕などないので、食品や学用品の販売を行うのみなのである。
発表が終わって、直後に始まる弦楽器のために椅子や配置を調整して、さらにパーカスを倉庫に閉まって。
片付けが終わり、むき出しのフルートと楽譜ファイルを持って階段を上っているところだ。
隣には笠川もいる。
終始無言で教室に入り、そのまま関係者待機室にこもる。
精神疲労がすごかった。
あと20分とちょっとでシフトが始まるから、それまでに楽器を片付けて、クラスTシャツに着替えなければ。
と思うものの、座った瞬間身体が動かない。
失敗なんかしなかった。
むしろ称賛をもらっていいくらいの素晴らしい演奏だったと自分で思う。
大分記憶を美化した。
だってほとんど初見だ。しかもほぼ半年くらいぶりのピッコロで。
音が出るだけで奇跡だと思われるのに(当社比)、その音が普通にキレイだからびっくり仰天である。
自分天才かもしれないと思ったし、今も思っている。
きっと自分は天才なのだ。
そう半分本気で思いながら、足部管をしまう。
そのとき、ドカンと、待機室のドアが開いた。
立っていたのは水瀬。
彼女はこの時間が担当らしい。
多田は女バスの招待試合でいない。
どうしたどうしたとそちらに目を向けると、焦ったように口を開いた。
「北さんと部長来はった」
「……はあ！？」
ワンテンポ遅れて放たれたその雑音が、お二人の御耳に届いていないことを願う。
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にはろ(プロフ) - kanameさん» 嬉しい限りです！ありがとうございます！ (2021年6月9日 23時) (
レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - めっちゃ面白くてバーッと読んじゃいました！笑 あんまオリキャラ居すぎるの得意じゃないのですが、この小説は皆個性が立っててめっちゃおもろいです！ (2021年6月9日 22時) (レス) id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
にはろ(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます〜！ (2020年8月9日 12時) (レス) id: 1818a691b6 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - とても面白かったです！これからも更新頑張ってください！ (2020年7月31日 22時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年6月7日 13時
