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「そんなかしこまらんで。予定表渡し忘れただけやから」
「俺もや。食事中すまんな」
はい!いいえ!と全員が言った。
軍隊レベルの揃い方だった。
それにもちょっと笑って、お二人がそれぞれ予定表の紙を渡している間、女バス及び吹部の三人は身を寄せ合い、苔の生えたさざれ石もびっくりの静かさで(?)待っていた。
すまんちょっと混乱している。
ファイルから四枚紙を取り出して宮たちに渡した後、北さんがぐるりと見まわし微笑んだまま言う。
「自分ら仲ええな」
「そうです!マブなんですわ!!」
デカい声で宮侑が言い放った。
全肯定botである。
すると弓道部部長佐々木先輩も納得したように口を開いた。
「ほうか、君らがピザの犯人やな」
「その覚え方ヤメテクダサ……」
水瀬が賞状の受け取り方のまま死にかけの蝉みたいな声を出した。
完全に問題児枠認識らしい。困った(困った)
「信介から聞いてん。楽しそうでええな」
「良い子はマネしやんと宿題ちゃんとやるんやで」
「辰巳ちゃん終わった?」
「じゃ、若干……」
「若干?」
ふふ、と笑って佐々木先輩が踵を返す。
邪魔したな、と北さんもその後を追った。
と思いきや、教室を出る前にいったん振り返る。
「宿題、終わらすんやで?」
「もちろんです!!!!」
よし、と今度こそ去っていった北さんに、一同脱力して椅子にもたれた。
全員目元を抑えて天を仰ぎ、しばらくして最初に復活したのは私だった。
「え?あそこおともだち?」
「りんたろわかんない……」
角名も壊れたのかノってきたのか、そんなことを言う。
「キッツ」
「は?」
「今のは角名が悪いわ……」
段々いつものノリが戻ってきた。
開口一番暴言を吐いた金髪に角名がゴム鉄砲を放つ。
テメエコラと身を乗り出した宮侑を銀島が抑える。
そして、言ったのだった。
「真面目に答えてな?……夏休みの課題、終わっとる奴手ぇ挙げて」
………………ツクツクボウシが鳴いているなあ。
なあ、と宮侑。
「一体いつから───────俺らの夏は終わったと錯覚していた?」
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にはろ(プロフ) - kanameさん» 嬉しい限りです!ありがとうございます! (2021年6月9日 23時) (レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - めっちゃ面白くてバーッと読んじゃいました!笑 あんまオリキャラ居すぎるの得意じゃないのですが、この小説は皆個性が立っててめっちゃおもろいです! (2021年6月9日 22時) (レス) id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
にはろ(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます〜! (2020年8月9日 12時) (レス) id: 1818a691b6 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - とても面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2020年7月31日 22時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にはろ | 作成日時:2020年6月7日 13時