ページ ページ22
.
「ハンズどっち？」
「あっち」
「ホントかよ」
食べ物以外で宮治を信用したくないので念のため調べる。
隣からの調べるんなら聞くなや、という苦情は無視した。
「ほらほらほら調べて正解」
普通に反対側だったので地図を頼りに道を歩く。
フードをくい、と引かれて反射的に避けたら、前から自転車が来ていたことに気づいた。
「お、すまん」
「おう。パーカー暑ないん？」
「アホ暑い」
「脱げや」
あっちー、と扇子を扇ぐ宮治のシャツは第三ボタンまで開けられ、ズボンからだらしなく裾が出ている。
ズボンも裾がまくられて、額には冷えピタが貼られていた。
「扇子誰からパクった？」
「佐藤」
「返してやれよ」
くだらない会話。
なんかデジャヴと思ったけど、そういえば宮侑ともこの道歩いたな。
「はー、涼しー」
やっとこさ屋内に入れば、全く地球を労らない温度の冷房が効いていて、生き返った。
「何買うん？」
「んー？」
携帯のメモを見ながら商品を探す。
二人とも勝手がわからないので店中歩き回る羽目になった。
「なんだよ……ボンドとグルーガン同じとこに置けよ……」
「これ重いねん早う」
「頑張って鍛えて」
店員さんに聞いて回り目当てのもの全て集め終わった頃にはくたくただった。
会計の最中に宮治が向こうで店員さんに交渉している。
「段ボールとか、余ってたりしません？」
荷物をまとめて話が終わったらしい宮治に歩み寄ると、聞いてもないのに勝ち誇ったような顔で言われた。
「ホンマは売りもんやからダメやけど、兄ちゃんイケメンやからあげる言われた」
「へー。これ持って」
俺荷物持ちちゃうでと言いながらも持ってくれた。
店員さんが持ってきた段ボールを木材が入った袋に一緒に入れる。
またクソ暑い外に繰り出した。
「全世界で外にも冷房つければええねん。そしたら温暖化関係あらへんやんな」
「小学校から道徳を学びなおせ」
倫理の欠片もない宮治の発言に笑っていると、彼が何か思いついたように立ち止まった。
「何？」
「あっこに美味い揚げもん屋さんあんねん。行かん？」
「え〜まあそこまで言うなら」
「一回しか言うてへんよ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 398人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にはろ(プロフ) - kanameさん» 嬉しい限りです！ありがとうございます！ (2021年6月9日 23時) (
レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - めっちゃ面白くてバーッと読んじゃいました！笑 あんまオリキャラ居すぎるの得意じゃないのですが、この小説は皆個性が立っててめっちゃおもろいです！ (2021年6月9日 22時) (レス) id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
にはろ(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます〜！ (2020年8月9日 12時) (レス) id: 1818a691b6 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - とても面白かったです！これからも更新頑張ってください！ (2020年7月31日 22時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にはろ | 作成日時：2020年6月7日 13時
