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「反省せんな、自分ら」
「ほんと、すいません」
フルートの先輩がさりげなく背中に隠してくれた。大好き。
「点呼取ります。いないパートは？」
「パーカス一人足りひん」
「おります！ここ！おる！」
隣で笠川がびょんびょん跳ねてた。
申しわけないが笑ってしまった。
「遅れたんか？一年の……またか、笠川」
「センセーに絡まれとってちょっと遅れました。すんません」
「ほんまか？」
「……宮侑に絡まれとりました」
「余裕持って行動しって前も言うたで。次ないからな」
「はい」
睨まれたからちょっと舌出した。
お前が一番入り口から遠いパーカスなのが悪いんだよっと。
今日は三時までパート練習。
うちの吹奏楽部、推薦と一般生が混在しているのだが、推薦の人がコンクールに出る場合がほとんどだ。
練習に特に工夫はない。
ただただ地力で殴る。
けど、たまにすげえ一般生がコンクールメンバーに選ばれたりもするらしい。
たとえば部長がそれだ。
学校では特待生、部活にはいつも一番乗りで基礎練してる姿は最早狂気。
なんか、ロングトーンとかめっちゃ伸ばすし。
北さんにちょっと似てるかも。
運動が苦手なだけつけ込む隙あってマシだけど。
「二時に合流な」
「わかりました」
同じく推薦の先輩と階段を下る。
「宮侑くんと仲良いん？」
「いいえ全く？」
パーカスん子のはなんやねん、と笑われた。
一年の教室でやるらしい。
まだいるかなあいつら。
……いるな。
話し声聞こえるもんな。
爆笑してるよ爆笑。
早くバレー部行けよ。
「お前ら出てけー。吹奏楽部様のお通りだ」
「お？鈴木戻って来よった」
「俺らももうすぐ部活はじまんで」
何で笑ってたのか知らないがひーひー言いながら六人が出ていくのを見送る。
最後に教室を出た宮兄弟がすれ違いざま思い出したように口を開いた。
「あ、せや言うん忘れとった。テストありがとさん。助かったわ」
「今度お礼にデートしたるからな〜」
「一昨日来やがれこの野郎〜」
お誘いは丁重に(？)お断りした。
語尾に「〜」をつければ柔らかくなると聞いたので。
てかコイツらお礼とか言えるんだな。
しみじみしていたら後ろで待っていてくれた先輩が肩を組んできた。
「付き合っとるん？言いふらしてもええ？」
「付き合ってません。ダメです」
一番仲いい先輩なので遠慮もクソもない。
全否定した。
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にはろ(プロフ) - kanameさん» 嬉しい限りです！ありがとうございます！ (2021年6月9日 23時) (
レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - めっちゃ面白くてバーッと読んじゃいました！笑 あんまオリキャラ居すぎるの得意じゃないのですが、この小説は皆個性が立っててめっちゃおもろいです！ (2021年6月9日 22時) (レス) id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
にはろ(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます〜！ (2020年8月9日 12時) (レス) id: 1818a691b6 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - とても面白かったです！これからも更新頑張ってください！ (2020年7月31日 22時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年6月7日 13時
