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「先輩、今日魔法薬学があったんですが、わからないところがあって……」
見え透いた嘘を笑顔で言う少年に、ガーベラは小さくため息をついた。
トム・リドル少年は、何を思ったか、最近ガーベラを見つけると寄ってくるようになったのである。
「決闘クラブ」を見て、ガーベラのようになりたいと思ったらしい。
この前のクラブでは、接戦の末ガーベラが辛勝したのだが、おふざけでつかった「緑」を見逃さなかったメリィソート先生に、セブンと二人で三時間説教を食らってしまった。
彼は何故か喜んでいたが。
いい経験ができたとか言って。
ちなみに、グリフィンドールをはじめとした新入生たちは、クラブから態度を急変させた。
ガーベラの優秀さは明らかだったからである。
まあそれも、人見知り陰キャのせいで台無しではあるものの。
で、リドルはそれから単位ギリギリを計算して攻めているガーベラを必ず見つけては、子犬のごとく駆けてくるようになってしまったのだ。
まあ、ダンブルドアの頼みを結果的に遂行している感じになっているからいいけど。
ここまでくると喋れないとか人見知りとか、そういう壁を乗り越えてきたリドルに対して、血縁があるというのもあってか喋れるようになってきたガーベラである。
「おたくの寮長に聞いた方がいいと思うよ」
「僕先輩の説明がわかりやすくて好きなんです」
「君に説明なんてしたことあったっけ？」
「いえありません。でも先輩が学会に提出した論文を読みました」
「え、あれ学校にあるの？」
「図書室にありましたよ」
「あの本の数から見つけたわけ？怖いな……トニカクまあ、私は時間がないから。セブンは優しいからきっと教えてくれるよ」
「先輩次授業無いですよね？」
「チェスの続きを待たせてるの」
「わっ、僕もチェスやるんです。ご一緒してもいいですか？」
「……」
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作者名：みや。 | 作成日時：2023年1月31日 12時
