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「センパイ、私虫嫌いだからあれやめてよ……お花とかにして」
「バカヤロウお花だとかわいくなっちまうだろうが」
「ちょうちょも十分かわいいよ」
「は？ちょうちょはカッコいいだろ」
ガーベラは首を傾げた。
かわいい名前をしておいてだらしなく男らしいこの元・先輩は、どこかちょっとずれているところがある。
「バタフライって名前誰がつけたの」
「姉貴」
「かわいいじゃん」
「カッコいいだろ」
ガーベラは首を傾げつつ段を上った。
ステージは魔法で直されて、元通りになっている。
その先には、セブンがいた。
「よろしく、ベラ」
「不戦勝でいいよ」
「つれないこと言うなよ」
女子たちがキャーキャー言っているのを肌で感じながら、ガーベラはげんなりとして真ん中に進み出た。
ちら、と横を見ると、あのとき廊下でヤイヤイ言ってきた坊主たちがいて、腕を組んでご意見番みたいな顔でこちらを見ている。
スリザリンの一年生を挟んでその隣に、リドルが座っていた。
両脇にいるのは友達、だろう。
パチ、と目が合ったが、すぐにそらす。
先生がカウントダウンを始めたからだった。
ガーベラはちょっと杖腕を上げる。
セブンは、杖をくるっと指をまわして唇を舐めた。
「3,2,1……はじめッ」
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作者名：みや。 | 作成日時：2023年1月31日 12時
