ページ ページ18
.
休みなく動く羽ペンは、ユリのたった一人のじいちゃん、もといゲラート・グリンデルバルドについてあることないことを書き立てているようだ。
おじいちゃんにも非はある以上あまり強く出られずに俯いて耐えていたが、ふと声が止んで顔をあげた。
「一生徒に何のご用事で？」
それは、一生続くかと思えた辛い時間からユリを救いあげてくれた、まさに救世主の低い声だった。
「あら、プロフェッサー・スネイプ。朝刊のコラムのためにインタビューをしていたところざんすわ」
「これは、小さなコラムに収まるような名か？」
とん、と人差し指でスネイプが指さしたのは、羊皮紙の上のグリンデルバルドの名前。
『自動速記羽ペンQQQ』が、スネイプの節くれ立った指に邪魔くさそうにコツン、コツンとぶつかっている。
彼が眉を寄せて手をどかすと、誰も何も言っていないのに再び軽やかに何某を書き始めた。
ユリにとって気の遠くなるような沈黙が続いた後、それを破ったのはリータ・スキーターだった。
「ご立派ざんすわ、ミスター。大切な生徒が緊張しているのを助けに来たのね」
そして、一拍置いて、また言う。
「いったいどうして、ここを“たまたま”通りかかったのかは存じ上げませんけれど……」
ホホ、と薄気味悪く笑って、彼女は杖を振った。
インタビュー道具がワニ革バッグに吸い込まれていく中、ユリはヒラリと見えた羊皮紙の上の文字に、咄嗟に手を伸ばした。
グシャ、と音がして、「インタビューメモ」に折れ目が入る。
大人二人は、ギョッとしてユリを見た。
「なッ。なんです、急に。なんだっていうのッ」
「これは、ダメだよ」
「なによ！？」
「これ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 838人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - いっぱいちゅき！ (2023年2月12日 23時) (
レス) @page46 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - 不死鳥の騎士団編がみたいだけなのにTwitter運営さんはそれを許してくれないようですかなし (2023年2月12日 14時) (レス) id: 29bd455e8b (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - みや。さん» ま、また凍結されてますね、、、ついてないですね、、、🥺 (2023年2月12日 14時) (レス) @page46 id: 29bd455e8b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - みやさんの不死鳥の騎士団見たいですね(๑•̀ㅁ•́ฅ✨ (2023年2月11日 19時) (レス) @page46 id: b396ddc2bf (このIDを非表示/違反報告)
みや。(プロフ) - ダイアナさん» 一週間が経ってしまったので、移行しました。よろしくお願いします🙌 (2023年2月10日 13時) (レス) @page46 id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みや。 | 作成日時：2022年9月21日 19時
