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早朝のホグワーツは寝静まっている。
起きているのは、絵画の中の農夫婦だけだった。
しばらく歩いたところで、ユリは足を止めた。
そして、薄々気づいていたことを溢す。
「あれ、迷った？」
ユリは廊下の真ん中で途方に暮れて頭を掻いた。
向こうに、地下への階段が見えたので確信した、これは迷子だなと。
絵に聞こうにもみんな寝ているし。
そう途方に暮れていたとき、階段の下から足音が聞こえて目を凝らす……否、凝らすまでもなかった。
真っ黒の”彼”だ。
ユリは躊躇わず声をかけた。
「先生！スネイプ先生おはようございます」
スネイプがこちらを見上げた。
その顔を見て、ユリは思わず笑う。
「朝からお前に鉢会い最悪の気分だ」と思っているのがありありとわかる顔の歪み方だ。
「早起きなのは感心なことですな、ミス・グリンデルバルド」
高度な皮肉を飛ばし、そのままスネイプは去ろうとユリの横を足早に通り過ぎる。
ユリは慌ててその背に言葉を投げた。
「あのっ、キッチンどこにあるか教えてください！」
ここで見捨てられたら終わりだと思ったし、十中八九スネイプはグリフィンドール寮生である自分を見捨てるだろうとも思った。
しかし、驚くことに、スネイプは振り返ったのである。
「何用で？」
「じつはおなか……」
言いかけたものの、ユリの腹が先にそれを説明した。
きゅるる、と空腹を知らせるにしては可愛い音が響き、それから静まり返る。
ユリは本当に恥ずかしくて耳を熱くさせたが、さっき寮で出た音よりマシだと思い直して開き直ることにした。
「……空いたんで、なんか食べモンもらおうかなって、思って。なに笑ってんですか」
「笑っていない」
「うそゆえ！今絶対笑ってたでしょ」
スネイプは鬱陶しそうにユリを睨みつけたが、ユリには、ええたしかに、スネイプが笑ったように見えた。
微かにだが。
ほんのちょっと、口角が上がった、ような。
痙攣と言われればそれまでくらいの動きだったけど。
この人って笑うんだと、ユリはそう思って勝手に驚いて、そしてちょっと笑った。
笑われた理由は気に食わないが。
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にはろ(プロフ) - 理緒さん» ご意見ありがとうございます！修正しました。今後ユリという名前に関する記述が少し出てくるかと思いますが、無視していただければ大丈夫です。 (2022年4月19日 21時) (
レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
理緒(プロフ) - 名前ってユリになってるんですがリノを使いたいのですが変えれませんか？ (2022年4月19日 10時) (レス) id: 946438c0c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや。 | 作成日時：2022年1月24日 13時
