【HQ】ゴミ溜め四人衆、見参。【稲荷崎】

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「餅が丸くない……」

「餅が焼かれている……」

「汁が味噌じゃない……」

「鶏肉が入っている……」

「黙って食べなさい。これが東京の雑煮です」

「兵庫に東京持ち込むな！」

「だが美味い」


角名が餅を唇で切って、言った。


「よく角餅見つけたね」

「一昨日スーパー行ったら丸餅しかないから悔しくて気合いで角餅探し出して買った」

「その気合い別ンとこで使おうや」



神社から帰り1時に全員で就寝して、10時に起きた。

11時に雑煮が完成したから大部屋で寝ていた他の人らをタンバリンで叩き起こし、今食卓についている。



「北海道は何入れるん？」

「わからない。俺の家は雑煮出ないから」

「えっ。じゃあ正月何食べるん」

「食パンとか……」

「正月の欠片もないな」



泉川はそれ以上聞くのをやめた。


向こうでは刺身(予算が"余った"から買った)の取り合いが起きている。



「おいツム何枚目やそれ」

「数えてへんわそんなもん。でも絶対サムの方が食うとるからな」

「ンなわけないやろ俺ァこれで6枚目じゃ」

「ほんなら俺は5枚目」

「適当こくな！！」

「俺らの分残せ」



銀島が至極真っ当なことを冷静に言った。

まあそれで止まる喧嘩ではなく。


角名と泉川がどこからか新聞紙を持ってきて、それを丸めて二人の頭をぶっ叩くとやっとそれは収まった。

相当痛かったらしいな。



「お前らもう刺身食べんな」



角名が皿を持ち上げ、結構本気で怒ってそう言った。


双子はしゅん、とするわけもなく、今度は栗きんとんを奪い合い始める。


しばらくそれを呆れて眺めながら筑前煮を食っていたが、横を見ると三好くんが困ったようにそちらを…栗きんとんをちら、と見たので、立ち上がり新聞紙で双子をスッ叩いて止めた。


別にそれ以降も喧嘩は起こったので、2度とコイツら飯に呼ばねえと思った。





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