及川妹、リベロになる。 (ページ45)

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面倒を見る。ページ45

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土曜の午前授業が終わった。

残念ながら席替えのくじ引きで月島の隣になってしまい、アイツらの勉強の面倒一人じゃ見切れねえと相談(愚痴)を受けた。

あと今日日直で部活前の勉強見れないらしい。めっちゃ笑ってた。

日誌なんてすぐ終わるだろと思いながらも優しいのでね、影山を引き取った。

バカ二人組は勉強すると頭痛が痛い病(は？)らしく、今日は見逃してやっている。

日向は谷っちゃんに任せた。
マネージャー希望の子らしくて花那に引かれるまま挨拶だけしている。

そして放課後。

丁度掃除が終わったあたりでひょっこり顔を出した黒髪ストレート。
眉間の皺は健在だ。安心した。

きょろきょろと視線を彷徨わせるので声をかけようとすると、その前に影山に声をかける猛者がいた。

「ちょっと王様どいてよ。邪魔なんだけど」

言わずもがな、月島である。

そんな仲悪かったっけここ。

目に入った途端に罵倒するじゃん。仲良しかよ(？)

「うっせえボゲ！及川どこだ！」

「はいはいここ、ここ。怖いからデカいの二人で喧嘩始めるのヤメてね」

「は？」

危うく三つ巴になりそうなところで退散する。

教材と筆箱をもって、影山の背中を押した。

「仁花ちゃんたちどこいる？」

「知らねえ」

「え～」

普通に一組にいた。合流してだらだらと始める。

「枕草子暗唱できる？」

「あん……？」

「何も見ないで言える？」

「……ああ」

謎の間が不安だが、とりあえず聞いてみる。

「春は……あ、けぼの……」

「うん」

「少々ひどく……巻きつくパパイヤ？」

「何？？？」

顔を見合わせる。何言ってんだ？みたいな顔してるけど言ったのお前だからな。

「……最初からやろっか」

しばらくやっていると、やっちゃんが清水先輩に呼ばれ、日向は便所の歌を歌いながらトイレに行った。

……二人きり。