及川妹、リベロになる。 (ページ33)

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初試合。ページ33

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大会前は時が爆速で流れるわけだ。

帆夏と花那が赤点を取って部停を勘弁してもらうために教頭に土下座したこと以外は(出オチ)、平和に当日を迎えることができた。

怪我もなく、病気もなく。
いいことだね。

朝に徹と別れ、学校で男バレと励まし合い、今既に試合会場の駒山体育館に立っている。

一回戦の相手は白戸女子。
強豪ではないが烏野よりは強いといわれている。
去年の春高後からコーチが新しくいるらしい。

正直絶対に勝てるとは思ってない。
花那みたいなのが一人いても、限界はある。

「集合！」

ホイッスルの合図で互いに挨拶した後、円陣を組む。

飯田先生がにこにこと頑張ってくださいね、と言った後、結先輩が口を開いた。

「もしも相手が絶対かなわない様な相手でも、勝とうとしなきゃ、勝てない」

それは、まるで自分に言い聞かせるように。

「みんなでつなごう」

「はい！」

「烏野ファイッ！」

「おおっ！」

久しぶりにド緊張してきた。
手汗がやばい。
内臓がスース―するぞ(病気)

大会は毎回緊張してるけど、リベロとして初めて出るから。

ただ。

「死ぬ……吐く……」

隣に帆夏(コイツ)がいるわけだ。

今回スタメン起用はなかったはずだが、誰よりも緊張している。

日向タイプか？
あ、練習試合嘔吐の話は聞きました。

彼女を励ます余裕はないが武者震いは収まってしまった。

ミドルブロッカーの真緒先輩と交代する。

一対一の状態から、スタートだ。