及川妹、リベロになる。 (ページ4)

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噂になる。ページ4

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「何で烏野に来たの？強いとこでバレーやらないの？」

人によっては地雷になりかねない質問をしてみる。
幸い、花那は気に留めず普通に答えてくれた。

「新女の推薦は来てたけど、断った！なんか、強豪に下克上！みたいなのやってみたくて」

まるで漫画の主人公みたいなことを言う花那。

ジャ○プか？とツッコまなかったのはコンプラね、あれの問題。

言いたいことはわかるけども。
決して無理ではないが簡単なことではない。

「あとさ」

こちらに向き直ってにかっと笑う。

「Aが烏野に行くって噂聞いて」

「は……？」

今の、問題発言では？

「Aとバレー、やってみたかった！」

そう爆弾を落としてにこにこと笑っている花那にすかさずツッコミ。

「待って、何で知ってるの？」

噂だって？
私が烏野に来るっていう？

冗談じゃないわなんだその噂。

「え、誰から聞いたのそれ」

「噂っていうかね、五色工って知ってる？」

思いがけず出てきたその名前。

名門白鳥沢で大エース牛若を超える存在になる(本人談)らしいけど、私からしたら昔の鼻垂れ小僧のままだ。

「そいつから聞いたの？」

「うん。道で会って友達になった」

「道」

どうやらロードワーク中に木に登って降りられなくなっていた猫を一緒に助けておともだちになったらしい。
なんだそのコミュ力。

「五色がさ、幼馴染に及川Aっていうすげーセッターがいてって話してくれて、私ピンときた。これはAとの運命だって！」

「私は違うと思う」

そもそも五色とは幼馴染なんて大層な関係ではない。

進学塾でちょっと一緒になっただけじゃん。

「そんで、Aとバレーやりたいって言ったら、彼奴烏野行くらしいって、教えてくれた！」

「ちょっと待って、私五色に教えた覚えない」

こっわ。
ガチの噂じゃん。

それ信じて新山蹴って烏野来た花那も花那だけど。