合宿に行く。 ページ17
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五月二日、午後七時五十五分。
烏野高校学習合宿・部活動合宿用施設。
「うおおおっ、初めて来たっ」
「探検だ帆夏、日向！」
「いやっふー！」
そう叫ぶなり三人は我先にと合宿所へ飛び込んで行った。
「おいおま……君たち！走るのはやめなさい！」
「ちょ、花那ちゃん、帆夏ちゃん！」
主将組が一年を諫めようとするが、無駄に終わる。
男バレの主将、澤村さんは丁寧なところがあってしっかりしている人のようだ。
うちの兄にも是非見習ってほしい。
日向を睨みながら影山が言う。
「お前ちょっと落ち着け」
「だって！！合宿って初めてだしっ」
日向のいた中学は男子バレー部が無くて、三年になるまで一人で練習していたらしい。
中学最初で最後の公式戦での事も聞いた。
「一日中むさくるしい連中と顔つき合わして何が楽しいのさ」
「は？お前どういうことだもう一回言ってみろ金髪眼鏡小僧」
「A落ち着いて！」
月島とは同じクラスだが話したことはほとんど無い。
でも今のは聞き捨てならないよね。
女バレを何だと思ってるのかね。
「月島てめえ半径500メートル以内に潔子さんが居る空間はむさ苦しくねえんだよ！！」
坊主先輩と西谷先輩がそう叫ぶのに、菅原先輩が振り返って言った。
何故西谷先輩の名前を知ってるのかは、今は内緒。
「清水は家近いから用事終わったら帰っちゃうよ。いつもそうじゃん」
その言葉で二人は死んでしまった。
ちひろがその横を気味悪そうに通り過ぎる。
その日はもう練習はなく、清水先輩や武ちゃん先生とカレーを作って皆に出した。
ちなみに花那は待機。
包丁の握り方が危なっかしくて、あ、だめだと一目見て思った。
夕食の席で、お互いに知らない人が多いので、自己紹介をしあうことになった。
武ちゃんの提案である。
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年3月5日 18時
