及川妹、リベロになる。 (ページ15)

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自主練をする。ページ15

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「集合ー」

木曜日の放課後。
四月も終わりに近づく部活終了後、顧問の飯田先生が部員を集めた。

このおばちゃん先生、可愛らしくて生徒に人気。
授業も面白いからちひろのような人以外寝てる奴はいない。

「最後に、一年生の二人の希望により、ゴールデンウィーク合宿を開催することになりました」

「え？」

どうやら花那と帆夏が先生に「合宿無いんですか？！」と詰め寄ったらしい。
何なのその行動力。

「場所はそこの合宿施設ね。男子バレー部と共同での使用になります。急なので希望制にしますが、今のところ参加する予定の人はいますか？」

花那と帆夏がぱっと手を上げたのに少し遅れて、私も手を上げた。

どうせ徹も合宿だし、親は仕事だし。

ちひろは少し考えてから手を上げた。

結先輩と副主将の真緒先輩も、参加するようだ。

逆に言えば、参加者はその六人しかいない。
他の部員は、既に旅行とか、予定があるのだと思う。

解散後、まだ時間はあるが自主練をする人は少ない。

朝練にも、基本結先輩と真緒先輩と、ちひろ以外の一年しか参加しない。

趣味程度に部活をやっているのだろう。
別に悪いわけではない。

「Aちゃん鍵宜しくね」

「はい」

ただ、一年生四人は放課後の自主練に残る。

最終下校は七時半。
私たちはいつもそこまで残って自主練。

ちひろも、帆夏に引っ張られていやいやながらトスを上げている。

「偉いよねー一年生」

「すぐ抜かされちゃうわ」

「すでに抜かれているのである」

先輩たちはそんな会話をして出ていく。

三年は受験生だから、家に帰って勉強するのだろう。

……受験勉強したくねえ～～～。