36話 side石橋 ページ36
点灯式を見終えた俺達は、駅から少し離れた所にある公園に来ていた。
気温も下がっているからか、隣に立つ彼女はぴったりと俺に密着している。
石「…近すぎじゃない?」
「寒いんだもん…」
石「今日、冷えるからね」
ベンチに並んで座り、どちらからともなく身体を寄せ合う。
寒いのは俺も同じだったようだ。
「遼大くん、あったかいね」
石「密着してるからね」
「マフラー巻く?」
石「いいの?」
Aが自分のマフラーを解き、俺の首に巻いてくれる。
少し長すぎるマフラーに顔を埋めると、彼女と同じ柔軟剤の匂いがした。
石「…Aの匂いだ」
「遼大くん!?」
石「ごめん、言ってみたかった」
ポンポン、と彼女の頭を撫でると、笑顔を見せるA。
寒さに負けないくらい、あたたかい笑顔に俺も嬉しくなる。
「遼大くん」
石「どうしたの…っ!?」
俺の頬に手を添え、そっと口づけるA。
突然のことに驚いていると、彼女は俺に微笑んで「奪っちゃった」と言った。
石「…やられた」
「ふふっ」
石「笑うなよ…」
「遼大くん、顔赤いね」
石「Aのせいだよ…」
赤くなった顔を見られたくなくて、彼女から視線を逸らす。
石(…俺らしくない)
「…遼大くん?」
石「同じ手は効かないから」
Aの反応を待たず、彼女の唇にキスを落とす。
また赤くなった顔を見られぬようにと、俺はマフラーに顔を埋めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 224人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「お笑い芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京佳(プロフ) - Fumiさん» はじめまして、嬉しいお言葉ありがとうございます!!! これからも頑張ります！ (2019年10月25日 19時) (
レス) id: e0510a47cf (このIDを非表示/違反報告)
Fumi(プロフ) - 初めまして！四千頭身がすごく好きなので楽しみながら読ませて頂きました！！続きを楽しみにしています！ (2019年10月24日 23時) (レス) id: a819d28f59 (このIDを非表示/違反報告)
四千ガール - はじめまして！ニヤけがながらじっくり読ませていただきました！とても良すぎるお話で何度も読みたくなりました！また楽しみにしてます！ （ちなみにリクエストって受け付けてますでしょうか？） (2019年10月17日 19時) (レス) id: 8cea501111 (このIDを非表示/違反報告)
京佳(プロフ) - 光婪さん» はじめまして、コメント並びに嬉しいお言葉ありがとうございます!!! これからも頑張ります！ (2019年10月13日 19時) (レス) id: e0510a47cf (このIDを非表示/違反報告)
光婪(プロフ) - はじめまして。たったの二話でワクワクしてしまっています！序盤からしんどいくらいドキドキしてます。これからも愛読させていただきます！ (2019年10月12日 3時) (レス) id: eb807f4e25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：京佳 | 作成日時：2019年10月9日 17時
