僕は君を心で愛す inar -2- (ページ13)

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大貴side

教室に戻ると山田がもう席に座っていた

涼｢おはよう、大貴。｣

大｢ぁ、おはよ…。｣

さっきは叶わない恋だから諦めた…

そう言ったけどやっぱり伊野ちゃんが
山田と付き合ってるからって諦め切れなかった

もちろん、気持ちの話だけど…

だって、行動したら伊野ちゃんと
山田の幸せを俺が崩すことになる

涼｢さっき慧の教室で何してたの？｣

大｢へ…いや、えっと…。｣

見られてたんだ…

でも、俺は伊野ちゃんに
傘返しに行っただけだよ…？

涼｢近づかないでって言わなかった？｣

山田の目はあの時みたいに鋭かった

大｢ごめん…で、でも俺は
伊野ちゃんに傘を『その"伊野ちゃん"って
言うのやめてくれる？』、え…？｣

な、なんで…

涼｢…出来るよね？｣

大｢っ、分かったよ…。｣

好きな人が幸せなら、もう俺は…

.

.

.

伊野ちゃんのことを忘れる

今までの過去、全て

告白されたことも、

好きって言ってくれたことも、

俺にオムライスを作ってくれたことも、

勉強を教えてくれたことも、

全部、全部忘れる…

.

大｢山田…。｣

涼｢何？｣

大｢伊野尾先輩と、幸せにね…。｣

涼｢………。｣

俺は今すぐ泣き出してしまいそうで
山田に保健室に行ってくると言って教室を出た

これで、よかったんだよね…

ばいばい、俺の初恋の人…

.

本気で、好きでした…