夏

夏色 鈴木誠也(リク) ページ10

誠也「あちぃー…」




「夏ダァーーー！！」


「夏来たああーーーー！」




みんな夏が来たって浮かれ気分なのに




誠也「Aどした、そんな顔して」




A「え？別になんもー」




お前は一人さえない顔してるネw




あ、そうだ。




誠也「わかった。Aに見せたい物がある」




5時半の夕やけ
子供の頃と同じように


海も空も雲も俺らでさえも
染めてゆくから




A「速いーーー！！」




誠也「速くねぇし！！ゆっくりだろーー！」




A「後ろこわいんだからねーーー！」




誠也「だまってつかまってろーーー！」




長い長い下り坂をAを自転車の後ろに乗せて。


気持ちいい風が吹いていく




____


チリーン チリーン…



誠也「……ねみぃー…」




風鈴の音と網戸ごしの風の匂いが眠気を誘う




誠也「お前さぁー、今日休みだよ？？」




A「うるさい」




休日でみんなもゴロゴロしてるのに
Aはずいぶん忙しい顔してるネww



あ、そうだ




誠也「あの場所行こうか」




A「今から？？」




真夏の夜の波の音は心静かになる




A「気持ちいーねー」




誠也「でしょ？」




誰もいない大きな夜の海


なにしようかなってなることを分かって




誠也「線香花火ー」




A「わー、懐かしー」




ゆっくり火をつける






A「実はさ、仕事で嫌なことあってさぁー…」




今でも泣きそうになってるA


いつかAの泪がこぼれおちそうになったら





誠也「なにもしてあげられないけど、少しでも、」




A「？」




誠也「そばに、いてあげる」




A「…あげるってなに笑」




誠也「あげてんだよ、いてあげてんの」




A「ふふ笑…ありがと」




_________



誠也「あちぃーーー！」




A「暑い暑い言ってないでこっち手伝え！」




誠也「やだわー」




A「へぇ、じゃあ」




誠也「なに？……いででっ！！いたいわっ！笑」




A「手伝わない人耳引っ張るー」




誠也「いや、意味わかんねーから笑」




今年の夏は俺まで忙しくなりそう




誠也「そこの働き者」




A「私ですかー？」




誠也「もうそろそろ期待してもいいんだよー」




A「なにがー？」




俺と付き合うってことをー


なんてまだ言えねーや

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