恋人はあなた。-４-

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｢お待たせっ｣


｢お疲れ様〜、行こっか｣


今日はわったーの結婚お祝いパーティー。
私、葵、藤ヶ谷くんの四人で飲みに行く。


仕事終わりに藤ヶ谷くんと待ち合わせて現地に向かう。



｢あれから、佐藤さんの元カレ来てないの？｣


｢そうみたい。でも相変わらず連絡は来てるみたい。理子も一人で帰らないようにしてるし、私も一応気を付けてる｣


｢そっか。俺も送ってやれたらいいんだけど、なかなか時間合わねーもんな｣


｢理子は、旦那さんが迎えに来てくれる日以外は同僚と帰るようにしてるって｣


｢お前は？｣


｢私もできるだけ一人にならないようにはしてる。玉森くんも気にかけてくれるし｣


｢そうなんだ。北山さんにはこのこと話してる？｣


｢話してない。
…話しても心配かけるだけだし、そもそも私のことじゃないしね｣


｢ふーん…もしかしてケンカでもしてんの？｣


｢何で？｣


｢いや、何となく｣


｢ケンカはしてないよ｣




そう、ケンカはしてない。

…でも。









私はカバンのポケットから片方だけのピアスを取り出した。


｢これがベッドの下に落ちてた訳ね｣


｢で、これが結婚式の写真に写ってたピアスと同じだったと｣


｢見間違いとかじゃなくて？｣



葵に、その後北山さんと順調かどうか聞かれ、三人にこの前の出来事を話した。









遡ること三日前。


みっくんの部屋に遊びに行き、前日の大倉さんの結婚式の写メを見せてもらったりしていた。

美男美女という感じで、すごくお似合いの二人だった。

みっくんたちが仕切った二次会も上手くいったようで、結局三次会も盛り上がって、帰って来た時には日付がすっかり変わっていたらしい。

話を聞いてるだけで、イイ結婚式だったことが伝わってきて、私もちょっと幸せな気分になった。







帰り際、みっくんがトイレに行ってる間、帰り支度をしていた私は、引っかけてピアスを落とした。

すぐに見つからず、しゃがんでカーペットの上を探していると、ベッドの下にもうひとつのピアスを見つけた。


自分のピアスと一緒にそれも拾い上げて、よく見てみると、変わったデザインの少し大きめのモチーフだった。



見覚えのあるデザイン。




それは、さっき見せてもらった昨日の写メに写っていた、吉川さんがつけていたピアスとそっくりだった。

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