恋人はあなた。-４-

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結局、みっくんにピアスのことは聞かないま週末がやって来た。

今週は向こうも仕事が忙しかったようで、連絡も最低限のやり取りしかしてなかった。

みっくんが何か言ってくるかも…なんて思ったりしたけど、特に話は無かった。

そういえば、前に付き合ってた彼氏の部屋でビューラーを見つけたことがあったっけ。

それ以来かもな〜、この感覚。笑





"グレーは罰せず"


相手に対して生まれた疑惑は、詮索せずに疑惑のまま水に流す。

それでも決定的な事実を知ってしまった時、別れを考えればいい。







前に何かの本で読んだこの考え方に、すごく共感できた。


今の状態は…クロに近いグレーってとこかな？

どっちにしろ、今日ハッキリさせる。

今夜はもともと、みっくんの家に泊まりに行くことになってる。
断ろうかとも思ったけど、ちゃんと話すならやっぱり部屋で二人で話したいし。

場合によっちゃ、お泊まりじゃなくなるかもしれないけど。


そんなことを考えながらみっくんとの待ち合わせ場所に来ていた。



｢Aっ、ゴメンゴメン遅くなって〜｣


｢ううん。行こ〜｣



いつも通りのテンションで話す。



｢今週、なんか忙しそうだったな。大丈夫？｣


｢大丈夫だよ。やっぱり年度末だし、一番残業多くなる時期なんだよね。みっくんも帰り遅い日あったね｣


｢うん。今日のイベント主催してる取引先に色々注文つけられてさ〜。疲れるわ｣


｢そうなんだ。でも楽しみだなー今日は。なに食べよっかな〜｣





そんな話をしながら会場近くで葵と二階堂くんと合流し、中に入った。

広い会場の中は、ところ狭しとたくさんの会社やお店がブースを出していて、すでに賑わっていた。


全体を見て回り、いくつかのお店で食べ物を買って食べ終えると、みっくんと二階堂くんは取引先の人に挨拶に行くと言った。


｢じゃーちょっと行ってくる。二人で回ってて｣


｢うん、いってらっしゃい｣





会場の端っこに寄って、葵とマップを見ながら次はどこに行こうか話していた。



｢ねえ、結構フツーに話してるけど、北山さんと話できたの？｣


｢まだ。今日泊まりに行くことになってるから、その時話そうと思って｣


｢まだバレてないと思ってんだね〜。どんな反応するんだろ｣


｢今日ハッキリさせるよ。吉川さんにも、あえて挨拶してみよっかな。笑｣


｢いいじゃんそれ〜！彼女アピールして違いを見せつけてやれば｣





すると、スマホが鳴った。

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