8 藤ヶ谷side ページ8
「ちょっと熱いね…熱計った?」
「微熱だったよ。寝てれば治ると思うし」
「とりあえず簡単なもの作るから。ベッドで休んでて?」
香澄は立ち上がってキッチンへ向かう。
「でも…帰り遅くなるからもういいよ?これだけ買って来てもらえてすげー助かったし。
それに…彼氏も心配するんじゃない?」
俺の問いかけに、香澄は何も答えず料理を始める。
「香澄?」
「…すぐ出来るから。部屋で待ってて」
何を言ってもダメそうな雰囲気だったので、とりあえず俺はベッドに横になった。
やっぱり…彼氏と上手くいってないのか?
じゃなきゃ、他の男の部屋に看病に来るなんてしないだろ…しかも俺、元カレだし。
そんなことを考えながら、横になって明日の仕事の資料を眺めていた。
「太輔、できたよ」
少しして、部屋のドアからお盆を持った香澄が入って来る。
そしてそれと同時に、いい匂いがしてきた。
「起きてるよ」
「じゃあ食べれる?薬も飲まなきゃいけないし」
「うん、ありがとう。いただきます」
久しぶりに食べる香澄の料理は相変わらず美味しかった。
もともと料理教室に通ってて、付き合ってる時も俺んちに来て色々と作ってくれた。
「味、どうだった?」
「美味しかったよ、料理の腕上がったんじゃない?」
「そう?良かった〜。じゃあコレ、薬ね」
香澄は水の入ったコップと薬を持って、ベッドに座った。
「ありがとう」
「はい。じゃあ後片付けしとくね。太輔は横になってて」
香澄は、俺からコップを受け取ってお盆に乗せると、キッチンへと戻って行った。
・
「あ、起きた?」
「あれっ、ゴメン…寝てたんだ、俺」
「フフっ、具合どう?」
ベッドの脇で、香澄が濡らしたタオルを取り替えてくれてる。
「ちょっとラクになったよ、ありがとな?
…あっ、もうこんな時間じゃん。もう帰らないとヤバイな」
「平気だよ…」
「タクシー呼ぼうか?」
俺の問いかけに、香澄は何も言わずにうつむいたまま。
「香澄…?」
俺は香澄の顔を覗きこんで聞いた。
「太輔…私ね、彼と別れようと思ってるの」
「え?」
「彼とはもう…無理だから。別れてって言おうと思ってるの…」
すると、香澄の目から涙がこぼれた。
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泣き虫 - 北山君に抱き締められたいし、 男前だしイケメンだし、かっこいいし彼氏にしたいです。(^ .^)y-~~~ (2019年8月24日 8時) (携帯から) (レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - アクビさん、いつもありがとうございます★主人公とみっくん、ようやく落ち着いたようです笑。他の男子達はどう動くのか…そろそろラストに向けて更新頑張らせて頂きます。 (2015年9月23日 22時) (レス) id: 3c1280c8ce (このIDを非表示/違反報告)
アクビ(プロフ) - みぃさんこんばんわ!更新ありがとうございます。みっくんがエロ可愛くて思わずコメントしてしまいました(=^ェ^=)藤澤さんは基本的にツンだけど、ふたりがラブラブで嬉しいです(笑)しかし他の男子たちの動きも気になる今日この頃です。 続きも楽しみにしています。 (2015年9月22日 20時) (レス) id: 955e42d8a3 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - アクビさん、ありがとうございます。主人公は小説ならではの、モテ女子です笑。今後もお付き合い頂けると嬉しいです★ (2015年8月24日 22時) (レス) id: 3c1280c8ce (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 由貴さん、いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします★ (2015年8月24日 22時) (レス) id: 3c1280c8ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃ | 作成日時:2015年8月24日 19時