みじめな美しさ 竹中半兵衛 ページ5
今日の戦は気分の悪いものだった
明らかに我が主、豊臣秀吉率いる豊臣軍の方が数も力も強いはずなのに相手から戦をふっかけてきた
なのに、な!の!に!
あろうことか相手の殿は部下を捨てて正室と共に2人だけで逃げていった
燃え盛る城
あぁ、なんて無様で醜くてみっともなくて、惨めな軍なのだろうか
「半兵衛様!」
「なーにー?」
「し、城の中から・・・ぐぁぁ!!」
目の前で何かを伝えようとしていた兵士が血を吹き出して倒れた
その後には一人の女
『はぁ・・・はぁ・・・うっ・・・ゲホッゲホッ』
息も上がっていて時々むせている
城の中から、って兵士が言っていたからこの燃え盛る城の中から出てきたのだろう
その時に煙を吸い込んだのか
よく見ると服も所々破れていてそこから見える肌は火傷をおっていた
『ゲホッ・・・いざ勝負!』
とはいったものの
彼女とオレの戦いは勝負とは言えないくらい圧倒的なものだった
至る所に火傷と傷を負っていて、煙を吸い込んで時々むせている彼女
もう立っていることも辛いのではないだろうか
それに比べオレは指示を出していただけだから全然元気
『はぁ・・・はぁ・・・』
「ねぇ、なんでそんなになっても戦うの?君の主はもういないんだよ?」
『ゲホッ・・・はぁ・・・あんな、人でも・・・命を、助けてくれた・・・ゲホッゴホッ・・・恩人、なんだ・・・』
だから戦う
と続けた
あーあ惨めだみっともない!
だけど
どこか美しい
そう思ってしまうのは
なんでだろうね?
さて気絶させて持ち帰ってオレに忠誠を誓わせるか、美しいまま殺してしまおうか
さてどっちにしようかな
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桜 水樹 - 続編出た!!やっぱり素敵な小説です!!次の更新を楽しみに待ってます!! (2016年12月25日 12時) (レス) id: f80f976a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栞羅 | 作成日時:2016年12月23日 18時