【戦国無双】あなた様と一緒にいれるのなら其ノ二【短編集】 (ページ4)

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声毛利元就ページ4

彼の声は優しい

男にしてはほんの少し高めで柔らかい声

大殿、その通り全てを包み込むような大きささえ感じられる声

私はこの声が何よりも好きだ

「ほら起きて、朝だよ」

朝この声で起き

「おやすみ。ゆっくり眠るんだよ」

この声で眠る

なんて幸せなんだろう

「やぁまた来たよ」

『毛利殿』

「やだなぁ。名前で呼んでっていつも言ってるじゃないか」

『軍議は終わったのですか？』

「うん、さっきね」

『そうですか･･･次はどこを攻めるのですか？』

「毛利は自ら攻めになどあまり行かないよ」

彼の声が頭に響く

永遠に聞いていたいものだ

『毛利殿』

「ん？」

『あなたはここにいていいのですか』

「そうだね･･･少し危ないかな？」

『じゃぁなぜ･･･

地下牢になど毎日来るのですか』

「君に会いたい、からかな」

『私は会いたくなど･･･ありません』

「はははそうだよね。でもごめんね、私は会いたいんだ」

今日も格子を挟んであなたの声を聞く