魔法帝の娘 ７ 【ブラッククローバー】

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ユリウスの方はそう思っていなくても、Aの方はどうなのだろうか


まだ子供のAはユリウスのことが好きでも、それが恋愛の好きなのか家族に対しての好きなのかまだ分からない年頃だ



気づかなければいいのだが、もしそれが恋愛感情だと気づいてしまえば問題である


気になりながらもマルクスは書斎室へ書類を整理しに行くと、タイミングが良いのか悪いのかそこにはAの姿が




A｢あっ、マルクスさんごめんなさい……｣




書斎室の隅に座り込み、本を読んでいたAはマルクスと目が合った途端立ち上がって謝った


ハープを持ち始めてからめっきり書斎室で姿を見なくなったと思ったが、そんなことは無いらしい
たまにこうして書斎室に忍び込むのだ




ﾏﾙｸｽ｢A、また勝手に……
謝るくらいなら私に言ってくれればいいのに｣




と、言いながらAが読んでいた本のタイトルを見た瞬間マルクスは固まった



"片割れ物語"



それはとても有名な恋愛小説だった
クローバー王国では子供向け絵本としても出版されているほど有名タイトルで

その原作と言える長編小説がここには置いてある



まさかとは思ったが、冷静にマルクスは問う




ﾏﾙｸｽ｢そ、その本を読んでいるんですか……？｣



A｢はい、たまたま見つけて読んでみたらすごく面白くて……ごめんなさい｣




もうこの際書斎室にいた事はどうでもいい
今問題なのは読んでいる本が恋愛小説だということである


Aも年頃だ
そういうことに興味が無い訳では無いはず



だが、マルクスは心配だった




ﾏﾙｸｽ｢(まさかいつも忍び込んで書斎室に入るのは、私に言えないような本を読んでいるから！？)｣




変に辻褄が合い始めたマルクスの思考はここから暴走していく

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