魔法帝の娘 ７ 【ブラッククローバー】

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ランギルスがそう言った瞬間、冷たい魔力が庭園を包み込んだ


魔法騎士団副団長のランギルスですら驚き目を見開くほど冷たく、殺気までも交じる魔力



それを発していたのがAだと気づいたランギルスは息を呑む



ランギルスはAの触れてはいけない部分に触れてしまった
だがAはそれを咎めること無く、逆に落ち着きを持った声で言う





A｢確かにそうですね、お父様と幸せに暮していた私にはわからないです｣




ﾗﾝｷﾞ｢っ……｣




A｢でも、これだけは言わせてください



フィンラルさんはとっても優しいです
この前も白夜の魔眼が襲ってきた時、空間魔法でみんなを助けてくれましたし


たくさん楽しいお話をしてくれたり、いつも笑顔にしてくれるんです


だから、たとえランギルスさんでもフィンラルさんを貶す権利はありません｣




睨みつけながらそう言ったAに対し、今度はランギルスの怒りが沸騰してしまう


ランギルスはわなわなと体を震わせた




ﾗﾝｷﾞ｢(なんだよ、どいつもこいつも兄さん兄さんって……)




……のか｣




A｢？｣




ﾗﾝｷﾞ｢そんなに兄さんの方がいいのかよ！！｣





突然怒鳴られ、ビクリと肩を揺らすA



ランギルスの目は、実の兄には向けるとは思えないほど憎しみと怒りに燃えている


さすがの取り乱し様にAは、何とかランギルスをなだめようとした




A｢ランギルスさん、落ち着いて……｣



ﾗﾝｷﾞ｢うるさい！！｣



A｢きゃっ！？｣




突然立ち上がったと思うと、ランギルスはテーブルの上のティーカップやお菓子を床にぶちまけた


ガシャン！！と陶器が割れる派手な音が響く中でも、ランギルスの怒声は止まらない




ﾗﾝｷﾞ｢僕は兄さんより何もかも上なんだ！！
勉強だって魔法だって、今まで兄さんが僕を超えたことなんてない！！



なのになんで！！｣





Aに向かって言っているのか、それとも別の何かに言っているのか
ランギルスは怒鳴り散らした

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