白鳥沢の貴公子 【男主】

瀬見英太誕生祭３ ページ28

A｢それでは、いただきます｣




｢｢｢い、いただきます…………｣｣｣




＿＿＿＿ぱくり




と、一口で食べる




皆さんももぐもぐと口の中でワサビの味を探しているのか、鉄火巻を食べているとは思えない顔つきだ




海苔のしっとりした食感にお米、マグロ
そしてあるはずのないねっとりとした何かが入っている



大量にあるそれが舌に触れた瞬間、鼻に抜けるような痛みが俺を襲った




A｢かっ…………らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！｣



口元を抑えて慌ててティッシュを取りに行く




痛い痛い痛い痛い！！




もう辛いという感覚とか通り越して痛い！！




A｢ゲボっゲボっ……おぇ……｣



山形｢ぶひゃひゃひゃ！！｣



白布｢はい、言い出しっぺの法則｣



天童｢Aちゃんさいっこー！！(ｹﾞﾗｹﾞﾗ)｣



大平｢大丈夫？｣



川西｢キスで治してあげるよ｣



A｢ヴヴッ…………(ｷﾞﾛｯ)｣



茶化しまくる皆さん(特に太一さん)に向けて睨みを利かすが、全くビビる様子はない



川西｢涙目で口元抑えながら睨んだって萌えるだけなんだけど？｣



A｢うるはいれふ(うるさいです)｣



牛島｢大丈夫かA？水だ｣



A｢ありがとうございまふ……｣



若利さんから水を貰い、なんとか炎症を抑えようとするが全く効果なし



A｢いたいぃ……｣



五色｢Aがこんなに悶絶するのは初めて見ますね……大平さんどのくらいワサビ入れたんですか？｣



大平｢んー……見た目はそれっぽくしようと思ったから、ワサビを海苔で巻いてマグロの切端と少量のお米でコーティングしたね｣



山形｢つまりあの鉄火巻の９０%がワサビだったってことか｣



A｢うぅ…………｣



ああ……本末転倒、自業自得、最悪な結果だ……




瀬見｢んま、ありがとうなお前ら！
プレゼントとかサプライズとかすっげえ嬉しかったぜ！｣



にかっ、と効果音が付きそうな笑顔でそう言われ、なんだか照れくさくなってしまった



何はともあれ、英太さんが喜んでくれて良かった



fin……

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