心の中は明るく 顔は暗く【梵天】

荒野と楽園 ページ39

「やほ〜

久々だねぇ


、、、、千冬君」



黒髪になっただけで ほんとに年取った？？

って感じの千冬君を見つめる


手に持っているレジ袋から

見えるペヤングを見て

不覚にも笑ってしまう


千『お久しぶりっスね


、、、、毎年 ペヤング置いてってたのAさん

だったんスね〜』


「やっぱペヤング持ってくるよね」



お互い何も聞かず すこしお話をする


千冬『俺 今一虎とペットショップやってるんスよ！』


一虎が働いている

　というワードに 不覚にも 安心する


意外と心配してた



生きてもらわんと一虎には

死ぬなんて許さねえ(笑)


なんて会話を弾ませる


くたくたで あまりにも笑わない私を

何とか笑わせようと 一虎やたけみっち

何かのバッカみたいな話を たくさん聞かせて

元気づけてくれた

一虎が 全く餌の種類を覚えないとか

たけみっちがとうとうヒナちゃんと結婚だとか



唐突な話題


千冬『Aさんは

今 何をしてるんスか』

きっと千冬君は察してる

でもあえて 私に聞く



「君たちとは 合わせる顔

がないような仕事はしてるかな」


あは なんて 作り笑いを浮かべてみる

どのみち

もう あなたたちと私たちが会うことは

もう無いのだから

少しくらい 昔話を楽しんだって

ばちは当たらないでしょう。


千冬『そうっすか。


、、、いつでもなんか俺らにできることあったら

言ってくださいね。

みんな受け入れてくれますよ。』

「大人になったねぇ 千冬君」


ほんと もう安心だね 圭介


「ありがと お気持ちだけもらっとくね」

その救済にすがることは あなたたちを

あのいかれた連中とのいざこざに巻き込むことになる


それだけは絶対にできない

特に三途、蘭、マイキー

のイカレ三種の神器 には

会わせられん


楽園を追放されたものが

また戻ることはできない

荒野をさまようだけ

なんてどこか神話にあったお話のように


私にその痛みを背負う覚悟はない


あふれ出る感情に蓋をするように

あふれてくる液体を隠すように

くるりと背を向けた。

yes　orはい　or　喜んで。→←お花とペヤング

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す