35夜 ページ40
水樹side
風が強く吹いた
そう思った頃にはAの姿はなく
鈍い音が外から聞こえた
急いで窓に駆け寄り下を見た
水樹「嘘だろ…」
赤く広がる水たまり
恵斗「なんで…なんで！」
恵斗は 膝から崩れ落ちる
水樹「俺は結局お前を救えなかったっ！」
涙を必死でこらえていた
そんな時さっきまで吹いていた強く冷たい風が
ふんわりとした優しく暖かい風に変わった
恵斗もその風に気づき立ち上がって窓の外を見る
水樹「嘘だろ…」
下を見ると そこには
さっきまではなかったはずの鈴蘭が 一面に咲いていた
そして その鈴蘭の中からり凉夏ちゃんが 歩いてきた
俺たちはただその光景を見ることしかできなかった
凉夏ちゃんは 「おにいちゃん」と小さく呼んた
ゆっくりとAが起き上がる
赤い水たまりは消えていた
二人は手をつないで鈴蘭の中を歩いていった
少し先のほうに Aの両親が待っていた
「お父さん！お母さん！」凉夏ちゃんは 花畑の中を走る
「ごめんね 寂しかったろう」二人が優しく凉夏ちゃんの頭を撫でる
気づくとそこからAの姿はなかった
「水樹 恵斗くん」
ドアのほうからこえがきこえた
振り向くと そこにはAが立っていた
水樹「A…？」
「幸せになるね」
そう言ってまた姿を消した
窓の方を見ると 四人が仲良くてをつないでた
そしてそのまま 花畑家の中消えていった
またふんわりとした風が吹く
しかし 今度は冷たい風
景色は元にもどり 下には赤い水たまりが広がっていた
急いで俺たちは階段を降りた
Aの元に駆け寄る
恵斗「先輩…最後は幸せだったんですね」
恵斗がAの顔を見てそう言う
水樹「こいつはもう これから孤独にはならなくていいからな
それにのぞみ通り俺達に 最後を看取られたからな」
冷たくなったAの頭を撫でる
Aの 頬には涙のあとが残っていた…
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氷雨(プロフ) - とてもいい作品でした。目から海水が止まりませんでした… (2020年8月3日 0時) (
レス) id: e23249d0ee (このIDを非表示/違反報告)
爽雫 - 私は涙もろい方なのですが、やっぱりこの作品は号泣してしまいました。夢主の家族、結末辛いです…。横になりながら読んでて涙やばくて思わず起きてしまいました泣感動しました！この作品を投稿してくれてありがとうございます。 (2019年9月3日 23時) (レス) id: c8b0ff9423 (このIDを非表示/違反報告)
海戀 - とてもいいストーリーでした！ 最後は目から塩水が大量です、、 (2019年8月4日 1時) (レス) id: a4dbcae652 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず味噌 - とてもいい作品でした。 (2019年7月20日 22時) (レス) id: 0ae31ba38b (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - とてもいい作品でした。いい作品… (2018年12月13日 18時) (レス) id: 44daa19fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餅草ぶんた | 作成日時：2013年6月15日 3時
