第58話 合宿最終審査 本番 ページ9
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あれから練習もトレーニングも全部全力でやりきって、ソウタくんが作ったコレオグラフを主にしてやっていた。
日高さんには、まだ悩んでるっぽいけど顔は良くなったね、と廊下ですれ違ったとき言われた。
何も解決してないけれど、今のところは隠せてそうでほっとした
今は目の前のこと、11人で皆で楽曲を作ってく。誰にも心配されずに、自分がやるべきことをやる
場所は、河口湖ステラシアター。この日のためだけに設置された。
今私は控え室で皆と最終確認をしたり、メイクをしてもらっている
『ハァ…』
ついに本番が始まってしまう。そして解決出来てないことを悟られないようにして挑まないといけない。
こんなことを長続きさせちゃいけないのは分かってる。けど、どうすればいいか分からないし、最早考えるのが辛くなってきた
レオ「よし!皆円陣しよ!!」
ショウタ「全員が全力で頑張りましょー」
『「The First!」』
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結果だけ言うと、やっぱりちゃんと隠せたみたいで日高さんからはこの前とは違いお褒めの言葉をもらったし、
それにパフォーマンス中に行ったソウタくんとのアクロバットも無事成功した。
でも本当に終わったと分かった瞬間、踊ってた記憶や、それ前後の記憶がすっかり無くなってしまった。
最初のコメントから最後のコメントまで。日高さんの言葉さえ今はもうあやふやだ。
普通にやばい気もするが、それさえ考えられない。これが終わったのなら日高さんの言葉をの意味をちゃんと考えないと…とその考えしかなかった。
帰りのバスの中でも、最初私は一番後ろのレオくんとソウタくんの間に座っていたが、
私の異様な静けさと少し青白い顔を見てショウタくんが席を変わってくれて、一番窓側に座らせてもらった。
バスの中は皆で合唱したりレオくんとソウタくんが熱唱したりと、二次会みたいなノリだった。
そんな中に私みたいな暗い人がいて申し訳ない…と思いつつも私も一応一緒に歌ってはいたが、やっぱり一睡も出来なかったことが付けに回ってきたのかすぐ眠くなってしまった
ショウタ「A眠い?寝な寝な…少しうるさいかもだけど」
ショウタくんが小さい声で尋ねてきてくれた。
『…りがとう…ぃます…』
返事が出来たかさえ分からず私はバスの窓に頭をつけて寝てしまった
起きてすぐ順位発表が私を待っていた
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作者名:蓮井さん | 作成日時:2022年1月15日 19時