第71話 ページ22
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日高「…頼れたんだね」
『頼ってますか?俺』
シュント「頼ってくれました!Aが!」
日高「よかったよかった。その顔は…分かったんだね」
皆の話をたくさん聞いた。レイちゃんはついこの前の合宿期間にダンスを歌を嫌いになってしまった、と話してくれた。
同じチームだったのにそんなことに私は全然気づけてなくて、でもレイちゃんはそれに気づけたことが一番良かったことだとも話してくれた。
皆に聞き終わってから、リュウヘイとシュントにお礼と二人に相談してよかった。と言うと笑ってくれた。
布団に入り考える。
私が思うダンスの楽しい、楽しくないは、どうすれば思えるのだろう…いや無理して思うものでもないのかもしれない
例えば、【Be free】と【Move on】楽しそうメインで考えればきっと前者を選んでた。でも日高さんからは意外と言われた【Move on】を選んだ。
それは何故か。答えは、楽しめる自信が無かったからかもしれない…あの時からきっと私は壊れていってたんだ
今ならわかるかもしれない。前の私にあって今の私にないもの。
それは楽しさと心からの笑顔、そしてそれらが揃ったときにようやく発揮できる私の真の力。
私のダンスで誰かの不安や心配を消しさる、少しでも和らげる、そんなダンスを私は目指していた。
あの日日高さんから言われた、
「れいのダンス見てたら不安が吹き飛んだよ」
そしてあの二人の少年らに言われた
「兄ちゃんのダンスすごい楽しそう!」
シュントに言われた言葉
「踊ってるときれい楽しそう」
他にもボイストレーニングの先生から言われた
「笑顔は素敵ね」
それに、もうずっと会えてないし、これからも会うことはないだろう初めて出来た今は韓国に行ってしまったダンス友達
「Aヌナと踊ったらめっちゃ楽しい!」
『フゥ…大丈夫だよもう。ようやく全部分かった。それにやっと頼る、ことが出来た。これで後は…楽しむだけ……そうでしょ?』
ようやく自分に足りないもの、失われたものを理解できた私は、いつもなら寝れないのに、すぐ眠りにつくことが出来た。
ずっと前に会った幼馴染みを思い出せるほどまでに、ようやく頭がスッキリした。
きっと明日からは、前よりもダンスも歌も上手になった私がいる。
そう思うと安心できて本当によかったと、思うのだった
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作者名:蓮井さん | 作成日時:2022年1月15日 19時