第61話 1ヶ月ぶりの東京 ページ12
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荷物を引き、家へ帰ってると先程別れたはずの日高さんから電話がかかってきた。
『…はいAです』
日高「今日まで本当にお疲れ様。A…今周りに人とかいたりする?」
一応辺りを見渡し、いなさそうだったが怖いので、よく周りが見渡せて灯りがあるいつもの公園のベンチに座った
『大丈夫です。どうかしましたか…?』
日高「いや…バレてない?大丈夫?って確認がしたかったっていうのとあと体調とか悪くない?って聞きたくてね」
『一応バレてはなさそうです…まぁシュントが寝起きに抱き締める時も危うかったですし、あと温泉の時凄い疑ってる感じの目をされました』
日高「…温泉は…ごめん。で何て答えた?」
『身体に傷があるからちょっと嫌だ。って答えました』
日高「え!?そうなの?俺恥ずかしいんだよきっととか話しちゃったよ?やばいじゃん」
『フフッいえ恥ずかしいも多分合ってるんで大丈夫です』
日高「あ、あとさAの両親にお話があるんだけど…」
つい携帯を握る手に力が入る。何て言えばいい?
『あー…まだ家ついてなくて』
日高「え!?こんな時間に?待ってごめん俺が電話したからか。じゃあ家帰って落ち着いたら今日じゃなくても電話してほしい」
『分かりました』
日高「じゃあごめん。疲れちゃんと取って休んでねじゃあ〜」
『失礼します』
そう言って電話を切った。
『フゥ…』
荷物をもう一度抱え、帰路へつく
たくさんの手紙が入っていて閉まらなくなってる郵便ポストを一瞥し、鍵を指しドアを開ける
ガチャ
『ただいまー』
部屋の中はどこまでもしんとしていた。私しか帰ってない家
『あんなに騒がしいとこに1ヶ月もいたらそりゃ違和感感じるよね……これが普通だったはずなのに』
荷物を整理し、洗濯物や手紙の整理などをして、ふと電話を見るとこの1ヶ月でたくさん増えた電話帳とLINEのグループ
帰ってるときにレオくんやシュントがいつでも電話してきてね!と言ってくれたことを思い出してふと笑みがこぼれた
『…夕飯買いにいくか』
戸締まりをして家を出た
合宿だと3食ちゃんと食べることになってたので、いつの間にかお腹が空くようになってて。
近くのスーパーに1週間分の食料を買いにいった。
『…早く合宿やりたいな……』
そんなことを思いながら帰路についた
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作者名:蓮井さん | 作成日時:2022年1月15日 19時