couple box (ページ42)

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「なぁ、ヤス。俺迎えに来たで？なんでそんなぐったりしてんの…？なぁ…」

「近づくな！」

「おい、アーセナル。落ち着け。ここにおるのは仲間だけやぞ」

「…エース。なにがあったん？」

「いや、俺にもわからん…」

ぐったりしている安田に近づこうとするジョニーをとても警戒するアーセナル。
はっきりいって今のアーセナルはおかしい。目の焦点が合っていないし、手が震えている。

その時ドアが開いてまた仲間が入ってきた。
囮の役割やったマックとガムや。
2人がここまで来たということは、今回の救出作戦は成功やな。
ガムはこの状況にオロオロしとるけど、この部屋で唯一冷静な男がゆっくり口を開く。

「アーセナル。」

「っ、くんな！俺らに、触んなっ！」

銃口をマックに向けるアーセナル。
しかし、まるで拳銃なんて見えていないかのようにアーセナルに近づくマック。
俺でも確実に仕留められそうな距離まで近づく。

「アーセナル、大丈夫や。お前の大切な人は無事やで。
お前が間に合ったおかげで助かったんや。
間に合った。大丈夫。良かったな。」

マックの言葉を聞いた途端、身体の力が抜けたのかその場に崩れ落ちてしまう。
マックはしっかり二人分の身体を抱きとめる。

「…帰るで。俺らの家に」

その日の夜は大変やった。
アーセナルと安田は寝たきりやし、ジョニーは2人が気がかりすぎて落ち着きがない。
マックはジャッキーになんや問い詰められとるし、トッポとガムは使いもんにならないみんなの分の仕事押しつけられとる。

次の日になっても、その次の日になっても、2人は目を覚まさなかった。
しかしその次の日、事件から3日たった日。
先に目を覚ましたのは安田やった。

「ふぁ……。あれ？ここクラブ？なんで？」

「っヤス！！！」

安田は組織の下っ端にSDカードの所在を聞かれたがまだそこまで記憶は戻っていなかったようで、答えられなかった。だから無駄な暴力を振るわれたらしい。

安田が復活したことで、俺らにも変化があった。
まず、ジョニーの精神が安定した。
マックとジャッキーは仲直り？したし、
それによってトッポとガムの仕事の負担が減った。
…ただ、アーセナルは目を覚まさなかった。

せっかく目を覚ましたというのに、安田はアーセナルの事が気がかりなのか、体調は一向に良くならない。

そんな安田を見かねてか、ある夜にマックが安田に話している内容を聞いてしまった俺。

その話は、アーセナルの過去の話やった。