couple box (ページ27)

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「好きやで」

「……そんなはっきり言うんや」

「ま、隠しても無駄やろ」

「で、でもさ、男同士やん？」

「そんなん気にしてんのか。ま、ええわ。
お前が悩んでる間に、俺が貰うわ」

アーセナルがそう言い放ち、ヤスの分の酒も飲み干した時、ヤスが帰ってきた。

「あぁー！アーセナル！俺のお酒ぇ～！」

「飲みすぎや。あと帰るで」

「ええ～、もっとぉ～」

2人のやり取りを脇で見てる俺。
そっか。アーセナルはヤスが好きなんか。

おれは…おれはヤスが好きや。
ただ、その先を考えることはできない。
現実的に考えて、男同士には大きな壁がある。
その壁を超えられるほどの覚悟が、俺にあるのだろうか…

クラブに帰ってくるなり、ソファに寝っ転がるヤス。
アーセナルはとっとと自分の部屋に帰ってしまったので、俺はここぞとばかりにヤスに近づき、お水を渡した。

「ジョニー～、ありがとぉ～」

「もー、ヤス酔いすぎ。いつの間にそんな飲んでたん？」

「ん～分からへん。俺ってお酒弱いのかなぁ～？」

「うーん。前に飲んだ時も、結構早く潰れてたかも笑」

「そっかぁ～…んん…ね～む～いぃ～」

可愛ええなぁ…
とりあえず俺が出した答えは
アーセナルに負けない。だ。
もし、俺の覚悟が決まった時にヤスが他の人のもんになってたら、話にならんからな。

俺はヤスに掛けてあげようと、寝室からブランケットを取ってくる。

…しかし、そのブランケットをヤスに掛けてあげることは叶わなかった。

アーセナルが、ヤスを抱えて自室に入って行った
からだ。

…まぁ、確かに、ソファで寝かせるより、ベットで寝かせた方が身体にはいいからな。

俺はその日の夜、寝た気がしなかった。