couple box (ページ19)

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翌日________

昨日とは打って変わって素晴らしい晴天に目を細める。

そんな晴天の中、鏡で見た俺の顔はどんよりとしていた。
理由は簡単。

...俺は、病院にいく決断ができないでいた。

もちろん、ヤスのことは心配である。
マックが今日には意識が戻るだろうと言っていたし、
もし、まだ意識が戻っていなくても様子を見るくらいならできるはずだ。

ただ、どのような顔をして会えばいいのか分からないのだ。

俺は財布から指環を取り出し、問いかけるようにつぶやいた。

「それにしてもヤス、なんで自分がオトコやって言ってくれへんかったんやろ...」

俺のつぶやきに呼応するように、ジャッキーが声をかけてきた。

「ジョニー、いま二宮から連絡あってな、安田くんの意識が戻ったらしいで」

「ほんま！？よかったぁ...」

「...会いに行くのが、怖いか？」

「うん。正直、どう接していいのかわからへんねん。
ヤスに聞きたいことは山ほどあるけど、
それを聞く勇気が俺には無いし、100%ヤスを傷つけてしまう。
いまの俺にとってヤスは大切な友達やねん。傷付けたくないよ...」

「せやな。でもな？ジョニー。いま会いにいかへんかったら、明日はもっと行きにくくなるし、
明後日はもっともっと行きにくくなるで。
それに、安田くんはジョニーに会いたいと思うよ。
小さいころからの友達がお見舞いに来てくれたら、うれしいんとちゃうかな？
ジョニーだってそうやろ。難しいこと抜きにしたら、安田くんに会いたいんとちゃう？」

「...うん、せやな。俺難しく考えすぎてたかもしらん。
俺、ヤスに会いたい。会って色々知りたい。
ジャッキー、ありがとう。俺、病院行ってくる」

「ん、仕込みあるから、夕方までには帰ってこいよ」

俺は指環を財布に戻し、病院への道を急いだ。

水溜りに反射して見えた俺の顔は晴れ晴れとしていた。