BAR Raisha <気象系> ２

29.考える人inトイレ ページ9

「あぁ〜、何も考えられない。」




ただ今私、会社のトイレにいます。

だって、今の私何も考えられないんだもん。




ただでさえ仕事できないのに、もっと出来なくなっちゃう。






『付き合おうぜ？
つか、絶対付き合うし』




『まあ、安心して？
オレ、お前の父さんに結構気に入られてるし…。
結婚はなんなくできんだろ♪』






駄目だ・・・。


先輩の言葉が頭の中ぐるぐるしてる。



無限ループって感じです・・・。







玄関開けたら先輩がいて、浮かれてたら

いきなり告白されちゃうし・・・。



しかも、すでに結婚とか言っちゃってるし！



驚きすぎて結婚の意味も忘れちゃうよ・・・。






しかも、松本先輩ってお父さんのお気に入りだったんだ・・・。




いつからなんだろう？




なんか複雑だなぁ・・・。






もうっ、本当にどうしよう。

びっくりしすぎて言葉もでないよ・・・。




ていうか、本当に言葉が出なくて

あの後、私黙りこくっちゃって、まだ返事してないし・・・。




驚いてるの分かってくれたのか、松本先輩は

「今すぐ返事してとは言わないから。」って

言ってくれたけど・・・。





でも、何で私こんな悩んでんの？
何で、迷ってるの？



だって、先輩のこと好きだったんでしょ。

その先輩に告白されたんだよ。




普通、大喜びして付き合うでしょ！！





何を、トイレで一人迷ってんの？




何が私をこんなに困惑させてるんだろう？






「そろそろ、仕事に戻らなきゃ。」






でも、帰りぐらいにはちゃんと返事しなきゃ・・・。




普通は・・・、OKだよ・・・ね。

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