BAR Raisha <気象系> ２

26.朝の華 ページ6

そんな朝っぱらからキャーキャーな私を、冷めた目で見つめてるルーちゃん。



いや、気のせいよね。


朝日で影ってそう見えるだけよね。うん。





でも、なんとなく怖いから、
朝日が当たらない場所にルーちゃんを移動させ、シャワールームに向かった。






朝のシャワーは、眠気を吹き飛ばして私を現実世界へ引きずりおろしてるような感じ。






その感覚は、ひっじょーに嫌いだけど。


嫌いだけど、しょうがない。





仕事だもん。







項垂れつつシャワールームを出て、
シャツとタイトスカートを身につければ、


嫌われAちゃんの完成。






でも、いいのよ。
いいの、いいの。






だって、私、今恋してるんだからっ!!


頭には、ハートと松本先輩の顔しかないんだから!!






『恋は無敵』




よく少女漫画に出てくるワードだけど、
今の私にぴったりだと我ながら思う。






そんな朝っぱらからキャーキャーな私を
冷めた目で見つめてるルーちゃんを横切って、無駄にでかくて重たい扉をあけた。





すると、いつもの玄関の景色に華が添えられてることに気づく。








｢ふはは、固まってるし(笑)


……おはよ｣






玄関で、


松本先輩が華のオーラを放っていた。

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