BAR Raisha <気象系> ２

23.おっさんの恋 ページ3

どうしたら、良いんだろう。




心臓がうるさすぎる・・・。

松本先輩に聞こえてしまいそうなぐらい。





『恋』


その言葉を意識した途端、急にどうしていいのか分からなくなった。

先輩と目が合わせられない・・・。






「どうしたの？急に黙っちゃって。」


「いやっ、別にその・・・、何でも無くて、その・・・、
　おっさんが犬で、動物に飼われてて・・・、えっと・・・。」






もう。
どうしよう、しどろもどろで、訳わかんないことしか言って無い。

絶対、変な奴だと思われてる・・・。








「ぷははは。何言ってんの？おもしろすぎ！！君といると本当に飽きないわ。」




「そっ、そんな笑わないでくださいよ！」




「ごめん、ごめん。
でも、Aといると、いつも笑いが絶えないよ。
ちっちゃな事でも、笑えるっつうか。」







私の目の前にいる、最高にジェントルマンな先輩は、

そう言って、キラキラ輝くような笑顔で笑っていた。





まっ、眩しすぎる。







「おーい、どうした？
きょう、なんか変だぞ・・・。黙りこくって。
なんか、あったか？また、嫌がらせでもされた？」






ついさっきまで、眩しいほどの笑顔で笑っていたかと思えば、

急に表情を変えて、私を心配してくれる。






やっぱり、私先輩のことが好きなんだ・・・。

先輩に、恋しちゃったんだ・・・。







「おーい、無視？無視なわけ？
　俺、ほっとかれてる？」


　
「へっ？あっ、すみません。
　別に、何でもないですよ。
　先輩のおかげで、嫌がらせは随分減りましたし！」



「なら・・・、良かったんだけど。」





先輩はまた、優しく微笑んだ。







自分の気持ちに気づいたところで、どうすることもできない。


所詮、おっさんの私が告白なんかしちゃったところで、どうにもならない。



下手すれば、拒絶されて終わっちゃうよ。




あぁ、もう。


こんなときにわんこの悪口が頭に浮かぶなんて…。



なんなのよ、あいつっ




｢ふはは(笑)｣




また私は変な顔をしてたのか、
松本先輩は声をあげて笑ってた。

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