陽だまりの中で【d!】 (ページ7)

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〈cino side〉

「えーっと～？」

城下町はいつも賑わっていて、こちらも自然と笑顔になる。

幹部様！とキラキラした笑顔で挨拶をしてくれる民に手を振りながら、チーノは歩を進めた。

しばらくして着いたのは女物の服屋。

「うわぁ……」

自分には一生縁なしと思っていたばかりに少しの気後れが生じるが

「なにしてんねん、はよ入るで」

靴裏でタバコの火を消したショッピに手を引っ張られ、やや死んだ目でチーノは扉の奥へと消えていった。

_________

「いらっしゃいませ～」

少し笑顔が引きつった店員はそれでも役目を果たし、店奥へと消えていく。

そらそうやろなぁ、女物の服屋に大男2人やもん。

申し訳ない気持ちを混ぜて、チーノは会釈を返した。

「なんで俺が……」

「なんでってお前、物資調達班やん」

しれーっと言葉に返してきたショッピに、チーノはジト目を送った。

「俺が使わされんのは分かるで？そら敵国の皇女さんの着替えの服を一般兵に頼む訳にはいかんしな」

「なんや、ちゃんと分かっとるやん、なにが不満なん？」

なにがって_________

「お前の存在やわ！」

なんで付いてきとるんこいつ！？

「そんなん、ワイも選びたいからに決まっとるやろ」

分からん？という目で見てくるショッピから無理やり目線を外し、目の前の服を見つめる。

「はぁ……とにかくなんか買ってさっさと帰るで」

サイズを確認しながら黙々と服を見定めていくチーノ。

そんな彼に、輝く目でショッピは服を差し出した。

「これはどうや？」

「却下で」

フリフリのワンピースなんて完全お前の趣味やん！！！

可愛いからええやろ別に！！！

ギャーギャー騒ぎながら服を手に取る幹部たちを、店員は貼り付けた笑顔で眺めていた。

「……っ！……いや、まさかな」

ありえへん、と首を振り、チーノは意識を無理矢理、服を籠に入れようとするショッピに引き戻した。