陽だまりの中で【d!】 (ページ5)

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「さあ！こんなかからなら何でも選んでええからな！」

そう言ってシャオロン様が案内してくれたのは武器庫だった。

朝食の後、ロボロ様からサイトハートの残党がまだいるかもしれないということを聞かされた。幹部が一緒にいるうちはまだ安心できる、しかし朝から晩までついているわけにもいかない……そこで、私に最低限の護身術や武器を持ち歩かせようということになったのだ。

…どうしてそこまでしてくれるんだろう。

そんな問いが一瞬頭の中を掠めたことは、内緒にしておこう。

そう思いながら、目の前の巨大な武器庫を眺める。

もっとも多く目に入るのはやはり剣だ。長さの種類も多く、もし決まらなかったらこれを取るのはいいかもしれない。

2つ目は弓や銃。しかし遠距離道具ではいざというとき身を守るには不利だろう。

もうひとつは……ナタ？いや、斧か。普段持ち歩くには重いかもしれないなぁ……。それにしてもこの斧、なんで紫色なんだろう？

しかも……これ、なに？

そう思いながらまじまじと見つめていると、シャオロン様が簪やで、と教えてくれた。

一般的には東洋の女性がおしゃれに使うものだそうだが、護身用にも使われるそうだ。

…きれい。

迷った末、軽いレイピアと短剣、簪を頂くことにした。

レイピアは持ち運びもしやすく軽い、装飾品が一切無いものを。

短剣は太ももの外側に付けて目立たないように隠す。

簪はひとらんらん…？様に付けてくれるようシャオロン様が頼んでくれるらしい。

「ええやん！かっこええで！」

そうシャオロン様が満足そうに頷く。それは褒めてるのかな……？と思いつつ、会釈を返して、ふと気になったことを尋ねた。

「あの…、シャオロン様、は、どんな武器で戦うのですか…？」

「俺か？俺はシャベルやで！」

シャベル……しゃべる……syaberu？

胸を張って手に持つものを掲げるシャオロン様に目が点になる。

農作業用に持ってたんじゃなかったんだ、それ……。

「あ、そう、ですか……」

もう、細かいことは気にしないようにしよう。

動かない表情筋の裏側で、Aはそう考えた。