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｢……ん…んぅ……｣
瞼の下で感じる光に違和感を抱いてうっすらと目を開ける。
上半身を起こしてみると、ふかふかのシングルベッドの上に横たわっていたようだ。
まだ寝起きの冴えない頭で昨日の出来事を思い返してみる。
そうだ、あの後全員に自己紹介をしてもらって、もう遅いからと、この部屋に案内されたんだ。
…私は寝てしまったのか。
久々にぐっすり眠れたような気がする。
まだ暖かいベッドに少々の名残惜しさを感じながら、部屋をぐるりと見渡した。
机、椅子、ベッドなど。
生活必需品は一通り揃えられていて、どれも清潔な印象をうけた。
……まだ、信じられない。
一晩前まではあの暗い地下牢で、明日に怯えながら眠っていたというのに。
しばらくぼーっとしていると、コンコンッとドアを叩く音がした。
｢……はい｣
｢入るで？あー、皇女さん？もうすぐ朝食の時間やから呼びに来たんやけど……って、うわああああ！？｣
｢え｣
返事をするとドアが遠慮がちに開いて、ロボロ様が入ってきた。
と思ったら急に大声をあげて後ずさった。
朝からよく声出るなぁ、とくだらないことを頭の片隅で考えながら驚きの声を返す。
顔を真っ赤に染めたロボロ様は口をパクパクと動かしながら言った。
｢服！着替えてください！！！お願いしますからぁ！｣
｢……あ。す、すいません｣
｢着替え終わったら言ってな！！｣
そうだ、着替えてなかった。
下を見ると服がはだけていることに気づく。
慌てて謝ると、ロボロ様はカクカクと変な動きをしながらドアをパンと閉めた。
不愉快にさせてしまって申し訳ない。
そう思いながらも、机の上に置いてあった服を適当に取って、ゆっくりとドアを開いた。
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作者名：朔弥 | 作成日時：2020年12月27日 23時
