ただ傍にいることの幸せを。 ページ44
お母さんが城下に引っ越す前に、付き合ったことを伝えた。
「あら、おめでとう…！お似合いだわ、2人とも。」
お母さんは、そう笑って私を抱きしめた。
チーノは照れくさそうにしながら、反対されなくて良かった、と息をついていた。
時は過ぎて、すっかり季節は秋になった。
枯れ葉が風に吹かれて音を奏でる。
ci「あ、おった〜！」
不意に頭上から声がして、走る足音と共にチーノが現れ、隣に座った。
ci「お前秋になるとここくるの好きよなw」
『たまたまでしょ。』
視線を枯れ葉に向けたまま、そう応える。
『てか仕事は？』
ci「今日、俺非番やで」
『城下とか、遊びに行かないの？』
ci「んー？行ってもええんやけどー、Aにまた勘違いさせたないなって♡」
『バカにしてるよねそれ』
ci「してへんわw」
へらへらと笑いながらチーノはいつもと変わらない様子で隣にいた。
『私といても、つまんないだけだと思うけど…』
休暇や休憩中、毎回と言っていいほど隣に来るチーノに、ぽろっとそんな言葉が零れた。
ふとチーノが手を重ねてくる。
ci「こうやって、ただ、Aの傍で笑い合える時間がめっちゃ幸せやねん」
真剣な目と、優しい声で、チーノはそう言った。
ci「まぁ、確かに俺の柄でもないかもしれんけど！ほんまやねんで、一応…」
『別にそんなこと思ってないよ、素直に嬉しかった。』
重ねられた手を握り返して笑う。
『ありがとね、ずっと傍にいてくれて。』
ci「…もう離れないってのw」
お互いの言葉に照れながら、手を繋いで他愛もない話をする。
ありきたりで、平凡な日々。
だけど私達は知っている。
ただ傍にいられることが、幸せなんだと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イデア(プロフ) - ひなさん» ひなさんコメントありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです…！こちらこそご愛読ありがとうございます！！ (2021年7月13日 20時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - は、初コメ失礼しますっ！いつも読ませて頂いております…！最近知ったばっかの新規でして…本当にいつも素敵な作品をありがとうございますっ…！ (2021年7月12日 1時) (レス) id: 2474e749f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イデア | 作成日時：2021年3月31日 20時
