実感 ページ39
自室のドアを閉め、座り込む。
結局、カフェで昼食を食べる気にはならなくて、そのまま通り過ぎて帰ってきてしまった。
なんだろう、喉の奥が少し息苦しいような、痛いような、そんな感覚。
胸の上のあたりに手を置いて、深呼吸をしてみる。
目を閉じて、ゆっくり…＿＿
＿…お知り合いですか…？
『…っ、』
どうしよう、離れない。
頭の中に2人の顔が浮かんでしまう。
ふと、コーヒーの入った瓶に私の表情が映る。
『……酷い顔、』
眉尻が下がり、どこか悲しそうで、焦っているような、余裕がない顔をしていた。
こんな顔、こんな感情、初めてだ。
立ち上がり、コーヒーを棚にしまう。
そしてそのまま、今度はベッドに倒れ込んだ。
少し落ち着いて、わかったことがある。
これは、ヤキモチというやつだ。
何度か聞いた事がある。
昔は全く理解できなかった、わかる日がくるとも思わなかった。
他人事じゃなくなってしまった。
私は、チーノが好きなんだ、見知らぬ女性に妬いてしまうほどに。
『…はぁ……、』
ベッドに顔をうずめる。
ｺﾝｺﾝｺﾝ、
ノックの音が部屋に響く。
誰だろう。時間は…？まだ17時だ。夕食には早すぎる。
…今はあいにく立ち上がる気力すらない。
申し訳ないけど今回だけは居留守を＿＿
ci「Aー？おらんの？？」
ｶﾞﾁｬ、
『…なに。』
ci「おぉ、おるやんけwなぁに、ちょっと暇やったから会いに来ただけ〜」
『あと2時間もしたら夕食なのに？？』
ci「俺もう今日の仕事終わってんねん、やからAに相手してもらおうと思ってな！」
『なにそれ。まぁいいや。今回だけだからね。』
ci「え？」
『入らないの？お茶くらいなら出してあげるけど。』
ci「えっ、え、はっ、？？」
『あれ、そういうことじゃなかった？』
ci「いや、ええの？」
『いいけど…なんか問題ある？』
ci「お邪魔シマス………」
ほんと、都合いいな私は。
あれだけ落ち込んでたくせに、会いに来てくれただけで機嫌がなおる。
どれだけ単純なんだ。全く。
自分で自分に呆れながら、紅茶を選びお湯を沸かした。
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イデア(プロフ) - ひなさん» ひなさんコメントありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです…！こちらこそご愛読ありがとうございます！！ (2021年7月13日 20時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - は、初コメ失礼しますっ！いつも読ませて頂いております…！最近知ったばっかの新規でして…本当にいつも素敵な作品をありがとうございますっ…！ (2021年7月12日 1時) (レス) id: 2474e749f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2021年3月31日 20時
