初めての感情 ページ38
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どうやら私はチーノのことが好きらしい。
ci「ん、なんかついとる？」
『…いや。別に。』
朝食を食べ終えると、いつもより回らない頭に小さくため息をつきながら仕事にとりかかった。
『…、まだこんな時間か。』
いつも通り書類を進めて、時計を見るとまだ午前10時を過ぎたくらいだった。
…集中できない。
こんな時はコーヒーだと、棚を開ける。
『…ない。』
普段これほど集中力が切れることはないため、残りを把握していなかった。
なんだか今日はやる気になれない。
急ぎの書類も無いし、気分転換も兼ねて城下にコーヒーを買いに行こう。
そう思い立ち、グルさんに許可をもらって城下に出かけた。
城下に出かけるのは、これで2度目だろうか。
1度目は、チーノとおつかいを頼まれて…
なんて思い返しながら、トントンさんのコーヒーを買いに行ったお店へ記憶を頼りに歩いていく。
『…あ、』
ふと目に付いたのは、おつかいのとき昼食を食べたカフェ。
まだ少し昼食には早い。
買い物を済ませたら、またペペロンチーノを食べに寄ろう。
そう思って、またコーヒー店に向かって歩いていった。
「いらっしゃいませ。これはこれは、A様じゃないですか！」
『どうも。コーヒーを切らしてしまって、せっかくなので買いに来てみました。
おすすめとかありますか？』
おっとりとした店主と軽くやりとりをして、2種類のコーヒーをおすすめされた。
代金を払って、2つのコーヒー豆を抱えて店を出る頃には、ちょうどお腹も空き始めていた。
良い買い物ができて少し気分がいい。
たまには気分転換で城下に出かけるのも悪くないな、なんて思いながらカフェに向かっていると、
『…あれ、チーノ？』
ci「えっ！A！？何してんのこんなとこで」
道の真ん中でチーノに会った。
『私はちょっと買い物に＿』
「お知り合いですか…？」
チーノの問に答えようとした瞬間、チーノの背後から女性が顔を出した。
見たところ年上で、色気のある大人の女性って感じだった。
……チーノの好みのタイプに当てはまる。
胸の奥がつねられたような感覚がした。
ci「あぁ、俺の仲間。てか昼飯まだならこれから一緒に＿」
『いや、邪魔しちゃ悪いし、遠慮しとく。じゃ』
ci「え、ちょ」
なぜか私は足早にその場を去っていた。
自分の状況が掴めない、初めての感覚に戸惑っていることだけが理解できた。
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イデア(プロフ) - ひなさん» ひなさんコメントありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです…！こちらこそご愛読ありがとうございます！！ (2021年7月13日 20時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - は、初コメ失礼しますっ！いつも読ませて頂いております…！最近知ったばっかの新規でして…本当にいつも素敵な作品をありがとうございますっ…！ (2021年7月12日 1時) (レス) id: 2474e749f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2021年3月31日 20時
