朝 ページ11
me side
『…、』
目が覚める。
一番最初に目に入ったのは、もう見慣れた自分の部屋の天井。
ゆっくりと体を起こす。
窓から射す朝日が眩しくて、咄嗟に目を瞑った。
朝日に目が慣れて、もう一度窓の外を見る。
少しの間朝日が昇る様子を見ていると、下の階に人影を見つけた。
それは、白衣に身を包む、しんぺいさんだった。
『……お母さん、』
ベッドから立ち上がり、戦闘服に身を包む。
そして自分の部屋を飛び出し、医務室に走った。
ノックをするのも忘れて、医務室のドアを開ける。
ps「わ、Aちゃん？」
『ｯしんぺいさん！！母は…！！！？』
挨拶もせず、それだけ口にした。
しんぺいさんは私に向き直り、落ち着いた声で言った。
ps「命に別状はない。今はまだ眠ってるよ。」
その言葉に、膝から崩れ落ちる。
ps「…！大丈夫？」
『はい…、』
良かっ…た…、
ps「そこのベッドにいるよ。」
しんぺいさんの手を借りて、お母さんの眠るベッドまで行く。
『…っ……ぁ…、』
大粒の涙が、頬を伝う。
安定した電子音が、母の心臓が正常に動いていることを証明してくれる。
膝をつき、手を握る。
前よりもずっと細くなっているけど、確かにあたたかかった。
ps「…俺、書類出してくるから、なんかあったらインカムで教えて。」
しんぺいさんはそう言って、医務室を出ていった。
『お母…さ……っ、』
13年もの間、求め続けたものが、今、目の前にある。
13年もの間、望み続けたものが、今、この手の先にある。
夢なんかじゃないんだ、今この瞬間は。
目の前にいる最愛の人は、私がこの手で取り返したんだ。
…彼らにお礼を言わなければ。
彼らの協力がなければ、彼らに出会えてなければ私も母もきっと今頃暗くて冷たい牢獄の中だ。
名残惜しくも、母の元を離れる。
ちょうど、時計の針は午前7時。もうすぐ朝食の時間だ。
ci「ぅおっ、」
『ぇ、』
医務室のドアを開けるとそこにはチーノがいた。
ci「…あー、っと…」
『…こんなとこで何してんの。朝ごはんは？』
ci「え、ま、まだ」
『行こ』
ci「…せやな」
あぁ、お腹が空いた。
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イデア(プロフ) - ひなさん» ひなさんコメントありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです…！こちらこそご愛読ありがとうございます！！ (2021年7月13日 20時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - は、初コメ失礼しますっ！いつも読ませて頂いております…！最近知ったばっかの新規でして…本当にいつも素敵な作品をありがとうございますっ…！ (2021年7月12日 1時) (レス) id: 2474e749f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2021年3月31日 20時
