幼馴染チョコ 4 ＠ちー。 ページ4
ここで
“冗談だ” “騙されてやんの”
みたいに、いつもの悪戯っぽい口調で笑えば流せたのに。
こいつの前で涙なんか見せなくて済んだのに。
でも、嘘じゃないって分かった瞬間嬉しくて嬉しくて顔が灯油に負けないくらい赤くなって元々流れていた涙が更に増えたのが分かって。
「と、灯油の馬鹿ー！！」
この場に合わない事を口走っていた。
「はぁ！？」
「こんな、簡単に言いやがって… 冗談にするなら今の内だよ？」
「な…っ、冗談何か付くわけないだろ！！」
大きな声に驚く。
あ、ごめんそれに…と、付け足す声がその後聞こえた。
「簡単になんかじゃねぇよ」
「…えっ？」
服の袖で涙を拭いてくれる。
「簡単な訳あるか、毎年幼馴染企画
だとか言って好きなやつからチョコ貰えるのに義理だと思い聞かせて、他に好きなやついるんだろとか考えて」
顔が熱い。
返事をしたいけど嗚咽で言葉がまとまらない。
「他の女からいくら告られても断り続けて、長い間この憎たらしいけどくっそかわいい幼馴染を好きでいたのに…」
心臓がドキドキし過ぎて爆発しそうになる。
か、かわいいとか好きだとか一気に言われたかった事を言われたらこうなっても仕方ないでしょ？
「灯油…」
「とにかくっ、好きだ。 大好きだ。」
真剣な眼差しに更に心臓が苦しくなる。
「ここまで言ってお前に他のやつが好きだとか言われたらちょーだせぇけどなw」
嘲笑うように笑う灯油。
「で、お前は？ 結局他に好きなやついるわけ？」
「私は…」
こんな日が来るなんて思ってもいなかった。
だって、こういう展開って友達とかの恋バナでも聞いたことないし。
でも、私だって灯油の事が___
「私も好き、大好き。 長い付き合いでだんだん離れて行くのかなって思ってたけど変わらないでそばに居てくれる灯油が」
絡んでいた視線が外されて灯油は大きな手で顔を隠してしまった。
私、まずいこと言ったかな…
覗き込んで見ると、さっき以上に顔が赤かった。
「灯油…？」
幼馴染チョコ 5 ＊あとがき ＠ちー。→←幼馴染チョコ 3 ＠ちー。
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