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涙色ちょこれいと*3 ページ13
「どこに行ったんだよ…！！」
後輩に呼び出されて、逃げられ数分。
すぐに追ったはずが遅かった。
Aの姿は何処にもなく、廊下には自分の息の音だけが響く。
チョコもらえるのかななんて期待していた。
その前にも大きい紙袋1個分くらい、いや2個分くらいチョコもらってたけどクラスメイトに分けたし本命は全部断ったし。
それも全部、麻奈がいたからなのに。
「自分だって思わないのかな…？」
俺の好きな人が自分だとは思わないのだろうか。
麻奈はもうちょっと自惚れてもいいくらいだと思う。
普段周りの人に気ぃ遣いすぎるくらいなんだ。
「…どーせなら言っちゃえばよかったのに。……マジクソか。」
その場にしゃがみこみ頭をかく。
「……探さなきゃ。」
もう一度立ち上がって麻奈を探した。
*
このまま渡さないで食べちゃおうかな…
机におかれたチョコレートをさわる。
「頑張ったんだけど…な……」
このまま見つかんなきゃいいのに。
このまま、この想いなんて消えちゃえばいいのに。
でもそんなことは叶うはずなくて――――
「…いた。」
「――！！」
見つかってしまえば、想いが消えることもない。
今だって、いつだって、
「好きっ………なのに…っ」
・
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