【歌い手】fortunate Valentine【５人コラボ】 (ページ11)

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涙色ちょこれいと*　＠那桜ページ11

「―――できたっ…！！」

2月13日。バレンタイン前日。

明日のために作っていたチョコが出来上がった。

「喜んでくれるかな…

――――luz先輩。」

人生初の本命チョコ。喜んでもらえるかの前に、気持ちを伝える準備をしなければならない。

「……大丈夫。きっと、伝わる。」

返事がどうでもいいわけじゃなくて、気持ちが伝わればそれでよかった。

「よし、ラッピング！！」

私は、自分の部屋からラッピングするための包み紙とリボンを取ってきた。

「え…っと、こうして……」

チョコの入った箱を包み、リボンをかける。

「ふぅ…あとは、渡す、だけ…」

明日だというのに今から緊張してきた。

どうしよう、渡せなかったら…

そんな不安がこみ上げてくる。

チョコの箱を持つてに自然と力がこもる。

すると――――

“～♪”

「え、電話？」

突然かかってきた電話。

「はい、もしもし。」

電話の相手を見ずに通話ボタンを押した。

『もしもーし。チョコ作った？』
「うん。さっき終わったところ。」

電話の相手はクラスメイトだった。

『渡せそう？』

「微妙、かな…」

先輩とは結構話したりするけど、それ以前に相手に恋愛感情なんてないだろう。

『頑張って。応援してる。』

「ありがと。じゃあ、ね。」

『うん。』

通話終了ボタンを押し電話を切って、もう一度チョコに目を戻す。

「……頑張ろう。」

さっきの電話で自然にそう思えた。

言葉ってすごいな。

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